【課題解答集】130°壁 3級・2級の登り方【動画つき】

回に引き続き130°壁の課題を取り上げます。

今回は3級・2級の模範解答をご紹介していきますので、トレーニングに励む中級者のみなさんはぜひともチェックしてください!

3級課題

青16番


まずは地味なことですが、スタート時のフットホールドが滑りやすくて危険です。

初手を取ってからの足の入れ替えが失敗しやすくなっています。

足元をよく見て丁寧に踏みかえるか、スタートにヒールをかけてしまうのもオススメです。

滑りやすいので、無策・無闇では踏み外してしまいます。

次の難所は、壁の側面についたホールドの扱いです。

向きが悪いため、ホールド上部を取りに行く必要があります。

また、体をやや大きめにひねって手前に引けるように意識すると力を利かせやすくなります。

それでも保持感が悪いと感じる場合は、いっそボルト穴を手がかりにピンチしてしまうのもアリです!

持ち方や持つ箇所、力の利かせ方に気を配ってください!

この課題で最も難しいのは、側面から正面に戻るパートです。

右足で壁を蹴りづらく、右手もスローパーになっているため、左手を伸ばしづらくなっています。

アンダーホールドを”送り”に使いつつ、壁の側面を蹴るようにしてください!


そして、続いて行なう右手寄せがおそらく最大の核心です。

左足はスメア、右足はトゥフックにするのがオススメです!

青17番


おそらくは3級最難です。

下部がとにかく悪くなっています。

最初の難関は3手目の右手寄せ

壁との距離を詰めすぎるとトゥフックを利かせづらいので、あえて遠ざかるようにするとフックしやすくなります。

足をかけやすい適切な間合いを見つけてください!

なお、自身の得意・不得意や背丈と相談して、右足ヒールを選択するのもアリです。

その場合は、トゥの場合とは逆に身体を引きつけて壁に近づいたほうがかけやすくなります。

いずれにせよ、ポジショニングの調整が重要になります。



さて、一難去ったかと思いきや、そのあとの左手寄せもなかなかシビアです。

ポイントとしては、(1)脇が開かないように注意して、(2)アンダーなので重心を高めに調整すること、の2点です。

上手く引きつけられない・保持できない場合は、左手を寄せるときに一瞬だけ強く身体を引く(デッドする)のも良いでしょう。

ここでも重心操作、ポジショニングが重要になります。

ここを乗り越えればあとはさほど難しくないのですが、下部でかなり力を吸われるので”よれ落ち”するリスクが高いです。

下部の攻略をスムーズに行えるようにするのが完登の鍵となるでしょう。

青18番


初手の飛び出しが最初の難関です。

スローパーから飛び出す必要があり、距離もあるのでかなりパワフルです。

ポイントとしては、腕だけに頼らず、右足の蹴る力を活用することです。

また、背中で引くことを強く意識してください!

腕力だけに頼ってはいけません!

続いての難所は角度の境界に位置するホールドを取るところです。

足場が大きいので飛び出しやすいとのかと思いきや、側面の摩擦が利かないことに加えて、かなり高い位置で踏み切る必要があるために、楽ではありません。

出づらいと感じる場合は、左足のヒールを解除して(もしくは最初からヒールしないで)、つま先で踏み切って出るようにしてみてください。

この時点でヒールからつま先に切り替えるのもオススメです。

そして、最も多くのクライマーを苦しめているのはゴール取りです。

ゴール手前まで身体を上げてしまうと狭くなってしまうので、左足は下に残した状態から一気に蹴り上がるようにしましょう。

また、左手のピンチは上部を持つのがオススメです!

ここから一気に狙っていきましょう。
左手の位置にも注目してください!

青19番


とりわけ「ここが悪い」という箇所がないかわりに、いや〜な持ち感が地味にずっとが続く課題です。

なかでも、3手目はマッチをしなければならないので、苦しい箇所になっています。

保持のコツはスローパーに通じるものがあり、背中で強く引いてホールドの摩擦を最大化することです。

脇が開くと力が逃げるので、肘を内側に絞りましょう。

もう1つ大事なことは、ホールドをピンチ気味に持つことです。

この課題は最初の2手以外はエッジがなくスローパー的な持ち感になっています。

そのため、”引っかける”というよりは”つまむこと”と”押しつける”を意識して保持感を向上させましょう。

この角度からでは見えづらいですが、親指を押しつけています。

2級課題

白16番

この課題は模範解答を2つご用意しています。

両方ともチェックしてみてください。


最初の難関は左手の寄せです。

寄せるまえに左足を引っ掛けて振られを抑止するのがポイントです。


これだけでは身体を制止できないという場合は、左足に体重を乗せて重心を上げるように意識してみてください。

右手の利きがよくなると同時に、左足に体重が乗って振られづらくなります。

寄せるときに腰の位置を高くします。

続けざまにやってくるのは、この課題最大の核心である双子スローパー(通称:デメキン)取りです。

かかりの浅いホールドから出なければならないうえに、かなり狭い箇所から距離を出さなくてはなりません。

左手出しと右手出しで求められる能力が違うので、得意なほうで勝負してください!

いずれにせよ共通して言えるのは、腕だけに頼らないという基本の徹底です。

左出しは指の力に自信のある方にオススメ。
右手だしは体幹に自信のある人にオススメです

棒状のホールドを取ったあとにマッチするときにも難しさがあります。

足場までの間隔が狭いため、むやみに乗ろうとすると窮屈になってしまいます。

そこで、少し引っ掛けるくらいを意識して、スペースの確保に気を遣いましょう。

背中で隠れてしまっていますがヒールを側面に当てています。
懐を広くすることでスペースを確保するのもありです。
いずれにせよ、股関節の柔軟性は重要になります。

ゴール前に連続する棒状ホールドの扱いが最後の難関です。

想定では左側を最初に取り、ついでカンテについているホールドに手を伸ばしていきますが、残す左手のホールドが悪くなっています。

右側に大きく重心移動するほどに利いてくるので、左足で強く蹴り出すことが重要です。

左は固めて取りますが、右は一気に取りにいきます。

広背筋による牽引力に自信のある方には別パターンもオススメ!

マッチしてからカンテ側を先に取ります。

狭いために脚力を使うのが難しく、キャンパのような感覚での距離だしが求められます。

腕は伸ばしすぎず、引きつけすぎず、最も引きやすい間合いを意識してください!

白17番


この課題の難しさは序盤に連続する2つのボテに集約されています。

まず、1手目のクロスが曲者です。

見えづらくなっていますが、右手でしっかりと身体を引きつけて、身体のひねりで取りにいっています。

かなりの牽引力と体幹の力を必要としますので、基礎体力が足りていない場合は一朝一夕ではいきません。

なお、足を入れ替えないほうが左足の蹴る力を利用できるので出やすくはなりますが、取ったあとに強烈に振られるため、痛し痒しとなっています。

「牽引力」と「体幹による制動力」の、いずれか自信のあるほうで勝負してみてください!


そして、2つ目のボテ取りのコツは2つ。

(1)深く手を差し込めるよう十分な距離を出すことと、(2)左手を押さえつけるように残して耐えることです。

上の画像の右手に注目すると、かなり深くまで入り込んでいます。

これくらい差し込まないと支えられないため、実際のホールド間以上の距離出しを意識する必要があります。

白18番


最初の核心は、角度の境界に位置するアンダー取りです。

取り先も残し手もかなり悪いので、丁寧さとパワーを両立させる必要があります。

まずは左足を外してスメアに切り替えるようにします。
取りに行くための姿勢を万全に整えましょう。


取り先が悪いので、身体がブレないように左手の保持を強く意識しましょう。

具体的には、脇を締めて身体を引きつけ、シャープで最小動きを意識してください。


そして、この課題最大の核心はゴール取りです。

ゴール手前のカチはほとんど引けないため、左手メインで可能なかぎり引きつけながら出るようにしましょう。

右手は引けるようなホールドではないため、左手メインです。

白19番


ある意味で真っ向勝負な課題で、シンプルにホールドの悪さで攻めてきます。

ムーブの工夫で登れるようになるというよりは、クライマーとしての基礎的な保持力やフォームの適切さが試される課題です。

そのため、攻略するためには小手先のテクニックに頼るよりも、地道なトレーニングによって基礎体力や基本技術を一定水準に持っていく必要があります。

以下の記事が参考になるので、ぜひチェックしてみてください!

ひとことアドバイス

今回の投稿をもちまして、すべての壁の5級〜2級までの模範解答が出揃いました。

自分なりのムーブを見つけ出すことはボルダリングの大きな魅力の1つですが、効率的に成長するためには、さまざまなムーブを試してみることも大切になります。

模範解答のムーブがご自身のそれと違った場合は、ぜひご紹介した方法にもチャレンジしてみてください。

新しい発見や飛躍のチャンスがあるかもしれません!


今回もご覧いただきありがとうございました。

それではみなさん。

ガンバです!


提供:ボルダリングジムBolBol