【課題解答集】85°壁 3級・2級の登り方【’23年4月〜】

3級

青1


最初のポイントはスタートポジションの取り方です。

足場のほうに乗り込むのであれば、そちらに腰(重心)を近づけたほうが楽になっていくのですが、この課題の場合はそうではありません。

真上のホールドを取りに行くため、むしろ重心はスタートホールドに近くします。

そして、体幹と腕の懸垂力で耐えながら右手を出していきましょう。

重心(腰)はスタートホールドに近くします。
左足のほうへ近づけることはしません。
右腕の引きと体幹でしっかり耐えながら出します。

続いてはスローパーから三角ボテを取りにいくシーンです。

ここではスローパーの保持の仕方がポイントになります。

画像のように、右手はややラップ気味に持ち、抱え込むようにして利かせます。そのためには、左腰が壁に近づくように軽くひねると良いでしょう。

右腕で抱え込むようにして保持しています。
三角ボテに手がかかったら、プッシュに切り替え。
パワーが足りない場合はボテにいったんマッチしてもOKです。

最後はスローパーにきっちり乗り込んでからのゴールマッチです。

1手目を取ったときとは違い、ここでは”乗り込み”の基本に忠実になって、足場となるスローパーに重心である腰を近づけるように意識してください。

ここからすぐに立ち上がるのではなく……
このように腰(重心)を足場の上に移動させます。

青2


中間部にあるカチの扱いが核心となります。

このカチはエッジがなくてスローパー的な持ち感になっているため、不用意に扱うとすぐに外れてしまいます。

いま左手で保持しているホールドが要(かなめ)になります。

ポイントは指をしっかり押し当てること。

このカチを持ったまま数手のムーブをこなす必要がありますが、その間に保持する力を緩めてはいけません。

とくに、ゴール手前のホールドを取りにいくときにはしっかりと押さえつけるように強く意識しましょう。

つい取り先に意識がいきがちですが……
出す右手ではなく、むしろ左手をしっかり意識してください!

青3


この課題の核心は中間部の大きなアンダーへの乗り込みです。

まずもって、どこに足を乗せるかが重要になります。

この左足の置き場が重要になります。

上の画像ではホールドの下部に足を置いています。

一方で、”乗りやすさ”についてのみ言えばホールド上部のほうが乗せやすくなっています。

しかしながら、あまり上部に足を乗せると狭くなるため、立ち上がりづらくなってしまいます。

そこで、お手本動画においては、乗せてからの動きやすさを考慮して、多少乗りづらくても下部のほうに足を置いているのです。

足を置く位置が高すぎると窮屈になります。
そのため、あえて下部のほうに足を乗せているのです。

また、どこに乗せるかにかかわらず、ホールドをしっかり踏むというフットワークの基本に忠実になることも大切です。

足場が悪いと足に力を入れることを避けてしまいがちですが、そういうときこそ勇気を出して体重を乗せないと滑落してしまうリスクが高まります。

しっかりとつま先を押し当てる意識を持つようにしてください。

2級

白1


最初の核心は中間部のピンチホールド取りです。

下部についたガバをアンダー気味につまんだ状態から立ち上がっていきます。

この左手のホールドの持ち方は意外だったかもしれません。

立ち上がるとき、あまり極端に側対(ダイアゴナル)の姿勢になってはいけません。

背中を完全に右側に向けてしまったほうが力を利かせやすそうですが、それだと壁から剥がれすぎて余計にパワーを必要としてしまいます。

なので、腰はほぼ壁と平行くらいの感覚のほうがバランス良く立てるでしょう。

膝は若干内側に入れていますが、控えめであることが見て取れます。

こうした重心を壁に近づける意識はルートの後半でも重要です。

取り先のピンチから次のスローパーに移るときも、そのスローパーを保持してゴールを狙うときも、腰を壁に詰めることがコツになります。

腰が壁から極力離れないように姿勢を整えていきます。
ゴールを狙うときもしっかりと腰を詰めましょう。

白2


この課題は1手目が最大の核心かつ醍醐味となっています。

スタートホールドに足をかけた状態から勢いをつけてスタートホールドに立ち上がり、ポケットに左手を入れます。

少しトリッキーなランジのような感覚です。

左足をスタートホールドにかけた状態でタメをつくり……
一気に立ち上がってしまいます。
タイミングがよければしっかり壁に入った状態で立ち上がれます。
腕が伸び切っていると負担が大きくなりすぎます。
なるべく壁に近づけるように挑戦してみてください。

なお、取ったあとはバランスが悪いためどうしても回転しますから、それも見越して右足のスメアでふんばる(心の)準備をしておくとよさそうです。

左手・左足支点なので回転します。
回転に耐える準備をしておきましょう。

難しい初手を決めてからも油断は禁物。

ツルツルとした木ボテへの乗り込みが次なる難関です。

足でふんばるのには限界があるので、ここでは左手の保持が重要になります。ぐっと引きつけて、体重を支えられるように意識してみてください。

白3


最初のポイントは1手目の大きなホールドの扱いです。

右方向に力を利かせたいところですが、足の配置からして身体を右側に倒すことが容易ではなくなっています。

そこで、右手のプッシュを行なうことで利かせやすくしていきます。

このままだと右方向に力を利かせづらいので……
右手をプッシュしつつ、身体をねじります。
足を入れ替えてしまえば、さらに利かせやすくなります。

そして、ゴール前のホールドの扱いも核心となります。

かなり悪いホールドなので、壁にしっかりと入り込むというスラブの基本を徹底する必要があります。

そのためには、右手で保持しているポケットの利用が肝となります。

この時点では右手メインで保持しています。
ここから、ポケットを利用して、身体を壁に詰めていきます。
壁に十分に入れると、左手の薄いスローパーがようやく利いてきます。
これで、右手をゴールに伸ばす準備ができました。
右手を離せても油断は禁物。
左手のガスをしっかりと利かせ続けましょう。




提供:ボルダリングジムBolBol