3級課題
青13
ルート下部は”正対”での引きつけが肝心です。
たとえば、2手目のホールドに注目してみます。
いま右手で保持しているホールドは、その向きからして右方向に引っ張りやすくなっています。
そのために、背中を左に向けるように反転させれば、”ダイアゴナル(側対ムーブ)”によって楽に次のホールドを狙いにいけます。
ところが、3級からはそうした省エネムーブは滅多に許してもらえません!
実際、この箇所では足場の配置からして、”正対”によりホールドを手前に引いて身体を壁に近づける必要が出てきます。
このように3級からは背中の筋肉による引きつけ力が求められるので、意識して鍛えていくようにしましょう!
一方、上部では繊細な足技が求められます。
ゴール手前のボテは向きが悪いので、無策にマッチやゴールへの飛び出しを試みても成功率は上がりません。
ここは左足でヒールフックを決めることで身体が安定します。
なお、フック(ひっかける)という名称とは裏腹に、ヒールフックを決めるコツはかかとを強く押しつけることです。
たんにひっかけるだけだと外れやすいので、意識的に押しつけるようにしてください!
青14
第1核心は3手目取り。
残し手はアンダーなので重心を可能なかぎり上げておきたいところですが、足の配置からして限界があります。
そこで、このアンダーは上方というよりは手前に引っ張ることで身体を壁に引きつけます。
加えて、取りにいく推力は左手と右足のかきこみで出すようにしてみましょう。
第2核心もアンダーの扱いが肝です。
ここでは、アンダー保持のセオリーどおりに重心を上げることでマッチに持ち込みます。
なお、重心の位置は背丈によってもかなり変わってきます。
上のように足を上げるとむしろ狭すぎると感じてしまう場合は、より低い足場を選んで対応するようにしてください。
そして、最後はゴール取りの距離出しです。
ここでも壁方向への引きつけが肝になります。
距離出しでは脚力を意識するのも大切ですが、腕の力を抜いてしまっては壁から剥がれてしまうので要注意です。
青15
最初の難所はスタート真上のホールドへの立ち上がり。
足が切れないのでランジとまではいきませんが、ほぼ同様のコツが求められます。
1)準備段階でタメをつくること、2)出るときには腕の引きと脚の押しを連動させること、3)残す手を最後まで引きつけること、の3点が大切です。
第2のポイントはトラバース時の足場の使い方です。
下の画像のように、クロスするときと、その後にボール型ホールドを取りにいくときで、それぞれ足の踏み位置を変えるようにすると動きやすくなります。
2級課題
白13
スタートから難しい課題です。
ポイントは残す左手のボテの利きを良くすることなのですが、そのためには右足をあえて切ってしまうのがオススメです。
また、手の位置・保持の仕方も重要で、ボテの”辺”に指の付け根が来るようにすると保持しやすくなっています。
続いて、この課題の醍醐味が中盤のピンチを介したトラバース。
かなり持ち感の悪いホールドですが、下部が若干膨らんでいて、比較的かかりが良くなっています。
なので、まずは右手でこの部分を狙いましょう。
そして、無事に右手のピンチに成功したら、右足をボテにヒールします。
このヒールのときに、上半身がぶれないように注意してください。
動画を見ていただくとわかると思いますが、脚だけを動かしており、下半身から独立しているかのように上半身が安定しています。
”下半身の分離”を成功させれば、上半身にブレがなくなり、ホールディングの安定感につながります。
そして、この課題の核心が両手ピンチからのデッドです。
左手で球状ホールドから先に送るところが最難となっています。
1つ目のコツは出る直前に重心の位置を上げること。
これにより胸筋で挟み込む力を使えるようになるので、握力頼りのピンチから若干楽になります。
もう1つのコツは、左手をギリギリまで残すことです。
これにより、可能なかぎり長く両手で引くことができます。
左手を出すタイミングが早いと引く力が不十分になります。右手は極悪なので、単体では出力不足に陥るのです。
白14
どのホールドも見た目以上に悪い持ち感となっていて、全体的にずっと難しい課題です。
そのなかでも最初の難所は3手目取り。
狭いスタンスと悪い持ち手から取りに行くこの1手を成功させるコツは”足”にあります。
このように、左足を遠くにスメアしてバランスを取りつつ、右足は深く曲げて体勢を安定させます。
さらに右足は外側に向いた状態(正対姿勢)がオススメです。
ダイアゴナルのほうが左手は利かせやすくなりますが、腰が壁から剥がれやすいため結果的にはやや成功率が下がります。
上部ではまずゴール手前のホールド取りが難関です。
バランス的にも狭さ的にもかなり悪いスタンスから狙う必要があり厄介です。
成功の秘訣は残す左手にあります。
手前のホールドは中央部分が持ちやすいのですが、この部分に左手が来るように、右手で保持した時点でスペースをとっておいてあげましょう。
そして、そこから両手の引きと、とくに左手を強く残す意識で、デッド気味に引きつけて一気に出してしまいます。
ホールドが悪いためにあまり大きな動きはできませんが、動画で見ればかなり強く引きつけていることがわかります。
ところで、このパートはかなり狭いため、身体の大きい人は先に左足のヒールをかけにいくこともオススメです。
動画とは違いますが、以下の要領で攻略します。
こうして2箇所の難所を乗り越えても、じつは核心はゴール取りです。
かなり引きづらい右手と心許ない左足で、壁に入り込んでゴールを狙わなければなりません。
かなり繊細になりますが、右手をしっかりとホールドに押しつけて可能なかぎり利かせて保持しきる意識がまず大切です。
さらに、左足のかきこみでも壁に入り込むように心がけてください。
白15
下部と上部で内容ががらりと変わる課題です。
上部があきらかに悪そうで、コーナーを活かしたトリッキーなムーブを要求されます。
が、じつは下部も油断は大敵。
指攻めからのボテのカチ取りが最初の難関です。
かなり距離があるため、130°壁のカンテについたホールドから、デッド気味に一気に出てしまうのが良いでしょう。
さて、問題はここからの身体の押し上げです。
まずはなにをしなければならないのか確認しましょう。
目標は下の画像のように壁のコーナーに身体を収めることです。
大切なのは、腰の高さとコーナーへの近さです。
ただコーナーに近づこうとしても、腰(重心)の位置が低いとプッシュがうまく決まりません。
同様に、腰が上がったとしても、コーナーから離れているとやはり次の体勢に以降できません。
奥行き、高さ、そして左右と、3次元的に最適なポジションを実現する意識が必要です。
それでは、腰を上げてコーナーに入っていくためのコツはなんでしょうか。
そのヒントが下の画像です。
右腕の肘がかなり曲がっており、身体を引き上げようとしていることがわかります。
さらに、左足にしっかり乗り込もうとしていることが見てとれます。
腰の位置が十分に上がるとボテへの右手プッシュが利きます。
このチャンスを逃さず、一気に130°壁側に近づきます。
十分に近づけば、今度はカンテのスローパーを左手で引けるようになります。
この左手と右手のプッシュで、コーナーに入り込みます。
十分にコーナーに入ったところで、左手をプッシュに切り替えてさらに接近。
こうして、目標としていたポジションに入り込むことができました。
改めて攻略の要点をまとめておきましょう。
①ボテの右プッシュを利かせるために腰を十分に上げる
②左手のスローパでも引くことでコーナーに近づく
③コーナーに近づいたら左手もプッシュに切り替えることでさらに入り込む
④右足のキョン足を決めれるまできたらほぼ勝利
以上を踏まえて、ご自分の背丈や長所に応じてトライしてみてください。
(たとえば、見本ではボテに背中を向けてプッシュしていますが、はっきりとボテのほうを向いたほうがやりやすいかもしれません)