今回は90°壁の3・2級のご紹介です。
傾斜のないぶん、バランスが悪かったりホールドが悪かったり、かなり曲者な課題がそろっています。
ムーブさえわかれば簡単に登れる、というわけにもいかない課題が多いので、動画を見るときはクライマーの姿勢や保持の仕方など、細かいところにも注目して確認するようにしてください!
3級課題
悪いホールドがふんだんに使われている3級課題。
持ち感の悪さは4級以前の課題たちとは比較にならないほどです。
とはいえ、傾斜のない壁ですから、足に体重を乗せるように意識できれば保持が劇的に楽になります。
動画を参考にしつつ、身体全体のバランスを意識して攻略に挑んでください!
青 4番
核心はトラバース(横移動)の終点である丸っこいホールドにマッチするところです。
どのような手順でマッチを試みるのかも悩みどころですが、ホールド自体もフリクションが小さく持ち感が悪いために苦戦を強いられます。
持ち方としては、人差し指と中指が上部にかかるようにしつつピンチする(掴む)のがオススメです。
このホールドにマッチするまでの手順にはいくつかあります。
大別すると”足を残すパターン”と”足を先に送るパターン”があり、今回の動画は前者を採用しています。
もう1つの方法では、上の画像で左手をついているホールドに、左足を先に送るようにします。
小さいホールドにマッチしている状態から、左足にぐっと乗り込んで、左手で核心部のホールドを狙うようにしましょう。
青 5番
最初の難関はスタートホールドに右足を上げるところ。
左手のホールドを手前に引いて、懐に十分な空間をつくることがコツです。
第二の核心は三角ボテの上部についた薄いホールドへのマッチです。
かなり悪いホールドですが、左側(下の画像で右手をついているあたり)の持ち感が比較的良いので、この部分を頼りにマッチまでこぎつけましょう。
そして、最大の難所がゴール手前でのマントル返しです。
左手でプッシュすることばかりに気を向けがちですが、重要なのは右手での引きつけです。
このときに壁から身体が遠いと、左手で上手くプッシュすることができず、右足のスメアも利きづらくなります。
なので、右手でぐっと身体を引きつけておくことが大切になるのです。
青 6番
全体的に持ち感の悪いホールドが連続しているバランシーな課題です。
垂壁ですが、スラブのように足を意識して、壁から離れないように心がけるのが攻略のポイントです。
核心となるのは、終盤に控えるスローパー保持からのピンチへの左手寄せです。
スローパーはピンチ気味に保持することで安定感が増します。
とはいえ、あくまでスローパーですから、握力に頼らずに右手をぐっと押しつけて力を利かせることが重要です。
2級課題
トリッキーな課題がそろった2級課題。
垂壁らしいバランスやホールドの悪さはもちろんのこと、ダイナミックな動きやスピーディーな処理も要求されます。
初見では正しいムーブを考案することが難しい課題も含まれていますので、解答を見るまえに、ぜひともご自分で納得いくまでトライしてみてください!
白 4番
序盤に難しさがつまったトリッキーな課題で、1手目取りが最大の核心です。
取り先のホールドはスローパー的な持ち感で、手前に引くことができません。
したがって、壁から離れてしまうと止まることが難しくなります。
ムーブとしてはただ立ち上がるだけですが、瞬発力とバランス感覚が同時に求められるために高難度となっています。
その次の1手はムーブに悩む方が続出している難所です。
スタティックにバランスをとることは困難なので、動画のように早急に足を入れ替えて、右足を先に送ることで対処します。
このように、バランスの悪い姿勢になることは避けられない場合は、それを素早く解消するというスピーディーな処理が求められます。
白 5番
最初の核心は、2手目の半球状のホールドのクロス取りです。
1手目のホールドが小さくて心もとないですが、右方向にしっかりと利かせて身体を寄せることがコツです。
動画は手に足によってスタートに右足を乗せる方法をご紹介していますが、右足を乗せずにそのまま一気にクロスすることも可能です。
続いて、最大の核心は下の画像にあるホールドでの手の入れ替えです。
かなり悪いですが、比較的持ちやすい箇所があるので、そこを頼りに手を入れ替えていきます。
半球状のホールドに左足を上げることができれば、さらに利きが良くなって、入れ替え作業が楽になります。
また、このように左足を上げておくことで、次のホールドを取るときにかなり楽になります。
とはいえ、身体の大きい方の場合は左足を上げると窮屈かもしれません。
そういう方は足を下ろしたほうが楽で、しかも身長によってはスタートに足が届きます。
もっとも、この課題に限らず、ボルダリングをしていると高身長の方は狭くて苦しむ状況が多いと思うので、あえて窮屈なムーブを練習してみるのもオススメです!
白 6番
最初の難所は五角形のホールドを右手で押して身体を止めるところです。
ホールドの側面のどこを狙うかが大切になってきます。
オススメは、やや壁から離れたところに手をつくことで、それによって右腕と壁との間に三角形(トラス構造)が生まれるので、バランスを取りやすくなります。
続いての難題は、この五角形のホールドにマッチしてから身体を上げることです。
やりたい動き方や取りたい姿勢に合わせて持ち方を変えていくことが重要ですが、最終的には左手をラップ気味に持ちかえることで安定します。
ひとことアドバイス
上達のためにしばしば推奨される練習方法としては、「完登できた課題を別ムーブで登ってみる」というものがあります。
とくに、垂壁のように傾斜のついていない壁はムーブに融通が利きやすい傾向にあるので、さまざまな動きを試してみるという練習にはうってつけです。
今回の見本動画がご自分の考えている登り方と違ったという場合には、こちらの登り方でも攻略できるように挑戦してみてください。
ムーブの選択肢を広げ、弱点を克服するチャンスとなるはずです!
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol