今回は垂壁の5級・4級のご紹介です。
筋力をさほど必要としない壁なので、ムーブさえわかってしまえば初級者でも比較的スムーズに落とせます。
この模範解答集を参考にして、中級者の登竜門を確実に突破していってください!
補足
今回登っているクライマーは背が高いため、リーチに頼らないようにあえて小さく登っています。背の高い方はホールドをどんどん飛ばしてしまうこともできると思うので、動画はあくまで参考程度に見て、ご自分のリーチ(手の届く範囲)に合ったムーブを探してみてください。
5級課題
基本に忠実な課題のそろった90°壁の5級課題。
対角線支持のセオリーを徹底し、フットワークを意識して丁寧に登れば確実に落とせるルートたちです。
クライミングの基礎固めを目指してぜひとも打ち込んでみてください!
緑 4番
ボルボルは5級からは足場も制限されますが、この課題はその練習にうってつけです。
コツはスメアをきちんと張ること。
スメアとは壁につま先を押し付けることで、仮想的な足場を踏むようにして登る技術です。
足場が限定される課題では、適当な箇所につねに足場があるとは限りません。
強引に足を乗せようとするとかえってバランスを崩すことも多いため、安定のためにあえて足を乗せないという選択も必要になります。
この課題では3回スメアをしています。
これらはすべて、右手でホールドを取りに行こうとしている状況であることに注意してください。
右手を離したいときには右足がホールドに乗せている状況が理想的なので、こうなるのです。
このようなバランスの取り方(対角線支持)はクライミングの基本中の基本ですので、以下の記事も参考にしてしっかり習得・理解してください!
緑 5番
この課題はホールドが多いため、初級者のうちはオブザベに苦労するかもしれません。
とはいえ、一見あちこちに無作為に散らばったホールドたちに規則性を見出し、正しいルートを見出すためのコツがあります。
そのコツとは、クライミングの基礎に忠実になることが重要です。
右手を離したいときには右足を乗せておく。
左手を離したいときには左足を乗せておく。
このような対角線支持の原則をしっかり守れば、手順やフットワークに迷うことはなくなるはずです。
良いバランスに保つために、足の入れ替えとスメアを何度も行なっていることに注目してください。
なお、動画だと身体に隠れてしまっていますが、スタートはこんな感じです。
緑 6番
この課題の核心はスローパー気味のホールドへのマッチからの身体の引き上げです。
身体を引き上げる動作は単純な腕力勝負だと思われがちですが、技術的なコツがちゃんとあります。
身体を引く直前にしっかりと胸を張って狙うホールドを見るようにすると引き上げやすくなりますので、ぜひ実践してみてください。
ところで、小柄な人の場合はこのホールドにマッチするまでが苦労するかもしれません。
そういう場合にオススメな別ムーブをご紹介しますので、参考にしてみてください。
4級課題
持ち感の悪いホールドが登場しはじめる4級課題。
垂壁らしく、バランスの悪さやホールドの保持感の悪さで攻めてきます。
これらを確実に攻略できるようになれば胸を張って中級者と言えますので、頑張って練習してみてください!
水色 4番
最初の核心はスローパーの扱いです。
4級にしてはかなり悪い持ち感ですが、左手をしっかりと押しつけるようにして保持します。
また、腰を壁に詰めることで、重心をスローパーの下に持っていくことも重要です。
ゴール手前に最後の難関があり、スローパーを左手でプッシュしてから手に足を決めなければなりません。
柔軟性が必要になりますが、ボテを使って身体を十分に引き上げれば楽になります。
側面に押しつけるくらいでもちゃんと乗れます。
どうしてもスローパーが攻略できないという方は、以下の動画を参考にしてください。
スローパーにできるだけ頼らない登り方をしています。
水色 5番
薄いホールドがたくさん使われているため、初級者の指には辛いかもしれません。
その負担を少しでも減らすコツは、足をしっかり使うことです。
つま先で乗り、かかとが落ちないようにして、壁から離れないように腰をしっかりと詰めることを意識すれば、足場に体重を乗せることができます。
また、この課題はゴールマッチのバランスの悪さも曲者です。
これを攻略するためには、右足を左側に寄せる(フラッギングする)ことによってバランスを調整してみてください。
なお、デッドムーブに自信のあるクライマーなら、左側に迂回せずに直上することもできます。
以下の動画を参考に、思い切って立ち上がってみてください!
水色 6番
ムーブに悩む方が続出しているこの課題。
中盤に登場するポケットの扱いに多くの人が迷っています。
じつはこれ、最初は指を入れずに保持してしまうのが正解です!
アンダーについているので、指を入れるのは十分に身体を上げてからになります。
この課題の最大のポイントはゴールマッチです。
想定ムーブは、直前に使用した大きめのホールドへのヒールフックです!
ひとことアドバイス
模範解答と解説は以上になります。
初級者のうちはフットワークがおろそかになりがちです。
それは保持力や前腕の持久力がまだ弱いため、持つことに精一杯になっていて余裕がないからでもあります。
しかし、その逆に、フットワークをおろそかにするから手に頼ってしまい、結果的に余裕がなくなるという面もあります。
初級者のうちは手順や持ち方に意識を向けがちですが、ぜひとも上手な先輩クライマーたちの足さばきにも注目してみてください。
ご覧いただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol