【課題解答集】90°壁 5級・4級の登り方【’23年2月〜】

5級課題

緑7番


この課題では思い切って立ち上がる箇所が2つあります。

1つ目は序盤にさっそく現れる2手目のホールドで、2つ目はゴール取りです。

初心者のうちは壁のなかで思い切った動きがなかなかできないものですが、上達するうえではぜひとも身につけたいところです。

こうした動きを成功させるコツは、ⅰ )残す手をしっかり保持するように意識することと、ⅱ )重心(腰)を足場に近づける(しっかり乗り込む)こと、の2点です!

左手がしっかり残せているからこそ思い切って動けます。
右足のほぼ真上に重心(腰)が来ていることにも注意してください。

左手・左足の同側支持なのでバランスが悪くなります。
回転してしまうまえに素早く取りましょう。

緑8番


まずはスタートへの手に足ヒールです。

初心者のうちは股関節が堅いので苦労するかもしれません。

脚の動きだけでなんとかしようとはせず、骨盤を傾けることで脚の付け根を高い位置に持ってくるように意識してください。

力士の四股しこの要領で、脚を高い位置にあげやすくなります。

骨盤を左に傾ければ右脚が上がります。

さて、ヒールでスタートに乗り込んで右手を取ったあと、左足をどこかに置きたいところですが、適当な足場が見当たりません

このようにほしいところに足場がない場合は、スメア(=つま先と壁の摩擦を利用する技術)を活用しましょう。

左足は壁につけているだけで、ホールドには乗せていません。

その後は、動画のとおり側壁を利用して上がっていきます。

この課題は全体的に足の置き場所を工夫するルートです。

垂壁(90°壁)はパワーがいらないぶんだけ、こうしたトリッキーな動きを初級者のうちから要求されるので要注意です!

緑9番


初手のホールドにマッチをしてからの立ち上がりが最初の核心です。

勢いをつけるためには、あえて腰を離してから一気に背中で引きつけるようにしてください。

背筋を伸ばして腰を詰めるのがセオリーですが、勢いをつけるときはあえて腰から離れるようにします。
そこから背中で身体を引きつけ、一気に壁に入っていきましょう。

2つ目の核心はゴールマッチです。

初級者にとってはかなり悪い持ち感になっているので、腰をしっかり壁に近づけ、重心をホールドの真下に持ってくるように意識してください。

おへそが壁に最接近していることに注意してください。

4級課題

水色7番


別パターン
(終盤、積極的に壁を利用する方法)


お手本を2パターン用意しましたが、どちらも序盤の核心部の攻略方法は共通です。

大きいホールドにマッチをするときに、右方向へ力を利かせて身体を安定させると、右手を寄せてきやすくなります。

このように左側を向くように姿勢を調整すると、右方向へ力を利かせやすくなります。

ゴール取りに至る手順の模範解答は2パターン用意しました。

1つ目は脚を大きく開いて突っ張りを利かせる方法で、背丈や柔軟性に自信のある方にオススメです。

まずは側壁を左手で押しつつ足を伸ばし……
ゴールを右手で取ります。
そこから、左足を高くして突っ張りを利かせて左手を添えます。

2つ目は側壁に背中を預けてしまう方法で、狭いところに入るのが得意な方にオススメです。

このように右足を乗せたのち……
身体を反転させつつ、右足の反作用でお尻を側壁に押しつけるようにします。

水色8番


この課題に使われているホールドは全体的にスローパー気味で持ち感が悪くなっています

ゆえにルート全般にわたってスローパーを持つための基本事項を意識する必要があります。

具体的には、ⅰ )腰(重心)をなるべくホールドの真下に置くことと、ⅱ )脇を締めてホールドに力を利かせて摩擦を最大化すること、という2点を心がけてましょう。

詳しくは過去の記事で扱っているので、以下も参考にしてみてください!


以上のことを踏まえて、最大の核心である2手目のクロスについて解説します。

まず、左手をクロスして出していく直前、腰をぐっと壁につめます。

こうすることで、残す右手の保持力を上げる準備が整います。

動画で見れば、壁にぐっと腰を近づける様子が確認できます。

そこから左手を出していきますが、このとき残した右手をホールドにしっかり押しつけて摩擦力を維持し続けることが大切です。

そのためには、脇を締めて背中で引くことを意識してください。

右脇がしっかり締まっているのが確認できるかと思います。

無事に左手を届かせたあとは、じっくりと重心を移動させます。

このあたりはクロスムーブの基本に忠実です。

右手が利いてくるまで慎重に重心移動をしていきます。

左手に力が移ったあとは、右手で行なったのと同じ要領で力を利かせます。

すなわち、脇をしっかりと締めて背中で引くように心がけてください。

肘が曲がっているのは、強く引いている証拠です。

なお、どうしてもこのクロスができない場合は、ムーブの工夫で解決することもできます。

別解としてご用意しましたので、「とにかく登りたい!」と思う方はまずはこちらで完登を目指すのもアリです。

水色9番


別パターン
(ゴール前の体勢の整え方に違いあり)


最初の核心は言わずもがな初手取りのランジです。

慣れないうちは必死に「ジャンプしよう」としがちですが、「跳ぶ」というよりは「立ち上がる」ことを意識すると成功率が上がります。

立ち上がろうと意識すると、ホールドを最後まで引くことができますし、足も最後まで残ります。

それゆえ、結果的に効率の良い跳躍が可能になるのです。

目標に手が触れているにもかかわらず、足がまだ離れていません。
つまり、立ち上がりさえすれば届くのです!
(実際、足場から目標までは180cm程度です)

ランジを決めたあとも油断大敵で、じつはゴール取りも難関です。

一見するとなにも難しくありませんが、かなり狭くなっているので現地まで行ってみると動きづらいことがわかります。

ポイントとしては、ⅰ )取りに行くまえにバランスを整えることと、ⅱ )取りに行くときには多少の”振られ”を覚悟してゴールの捕捉に集中することです。

ゴールを狙う前の体勢の整え方として2パターンご紹介していますので、やりやすい方を試してみてください。

左足で乗り、フラッギングする方法
足を入れ替えて右足で乗る方法

提供:ボルダリングジムBolBol