【課題解答集】105°壁 3級・2級の登り方【動画つき】

回に引き続き、今回は105°壁の3級と2級をご紹介します。

中級者の練習にふさわしく、バリエーションに富んだ内容となっていますので、ぜひとも全完を目指して登り込んでみてください!

3級課題

合力が試される3級課題。

登場するホールドの種類が豊富で、多彩な動きが要求されます。

すべて確実に登れるようになれば、クライマーとして一皮剥けること間違いなしです!

青10番


最初の難関は1手目から2手目へのクロス出しです。

かなりパワーを使うので、左手も添えて引きつける力を補いつつ、一気に出てしまうのがオススメです。

この体勢から一気に引きつけましょう。

ただし、この姿勢に入る以前に、1手目に身体を引きつけるのもなかなかに苦労します。

右足でしっかりとかき込んで、重心をホールドに近づけていくのがポイントです。

左手を離す際はフラッギングで安定を図ります。

続けざまにやってくる大きな球状ホールド(通称:ドラゴンボール)がこの課題最大の核心となります。

球の側面では止まらないので、上部を狙っていく必要があります。

そのためには、右手のアンダーで十分に身体を引きつけて、しっかりと立ち上がる必要があります。

腰が引けると届かなくなるので、しっかりと壁に詰めてください!

青11番


言わずもがな、初手のランジが第一核心となっています。

ランジのコツは、しっかりと身体を引きつけつつ飛び出すこと。

とくに傾斜のついた壁では、壁から離れる力が身体に作用しますから、これに抗うために引きつけながら飛び出す意識が必要になります。

飛び出す瞬間にはこれくらい引きつけています。

ランジを攻略しても油断禁物!

じつは、この課題最大の核心はゴール手前のボテから次の1手への移行です。

多くの方が、ムーブに迷っていらっしゃいます。

オススメは、まず右足を上げてしまい、ボテを蹴り押すことで次の1手に身体を利かせていくことです(レイバックのような感覚になります)。


とはいえ、ムーブがわかっても実行するのはなかなか苦しいです。

右足をボテに乗せるためには壁から身体を離してふところにスペースをつくる必要がありますので、ボテの次の薄いホールドを手前に引くようにして耐えてください。

この右手も、ボテに残した左手も、どちらもガス(逆引き)といういわゆる”観音かんのん”と呼ばれるかたちになります。

地味ですが、おそらくこの課題のなかで一番ハードです。

青12番


ボテの上部をとらえることが最初の難題です。

ボテの下部に右手を添えてから、それを送って上部をとらえにいくのがオススメです。

が、ボテ下部の持ち感はかなり悪いので、保持は左手に頼る意識を持つほうが安定します。

右足のフラッギングでバランスを取ってください。
そうすれば、左手で保持しやすくなります。

無事にボテの上部にマッチできたとしても、ボテから次の1手を出すところがこれまたシビアです。

コツとしては、左手は押しつけるよりもピンチで持つことが挙げられます。

これによって、保持の安定感が増すはずです。

左手の親指でボテの稜線を捉えています。

最後の難関として立ちはだかるのが、カチからゴールまでの身体の引き上げです。

確実にゆっくりと狙うとむしろハードになりますから、瞬発的に引きつけて一気に立ち上がってしまうほうがオススメです。

右手を意識し、一気にぐんっと引き上げてください!

2級課題

いホールドがふんだんに使われている2級課題。

指の力はもちろんのこと、持ち感が比較的良い場所を見極める分析力や、手が悪い状態からでもシャープに身体を動かすことができるボディバランスが要求されます。

白10番


1手目に持つことになるホールドの扱いがポイントになる課題です。

このホールドの持ちやすい、フックをかけやすいをしっかりと見極めることが、序盤から中盤にかけてを安定させる秘訣となります。

下部と上部にそれぞれ持ちやすい箇所があります。

フックも持ちやすい箇所を狙ってかけていきます。

最後の核心は、ゴール手前のピンチホールド取りです。

このホールドは楕円球っぽく中央がふくらんでいるため、上部を狙って保持することができればかかりが良くなります。

なので、懸垂でしっかり距離を出す意識が重要です。

中央のふくらんでいる部分の保持感は悪いので避けましょう。

白11番


スタートを含めて持ち感の非常に悪い3手が連続する序盤となっています。

まずもって、スタートを切るのも一苦労です。

コツとしては、右手ややガストン気味に意識して、カチっぽくなっているホールドの隙間に力をしっかりと利かせることでしょう。

窮屈な場合は最初から右足を切っておくのもアリです。

続けて、2手目から3手目への飛び出しがこの課題最大の核心です。

安定させるためには左手の保持がとても重要になります。

ポジションをしっかりと決めて、右下方向に力をしっかり利かせるようにしてください。

身体の大きい人は1つ前の足場を使ったほうが出やすいかもしれません。

ここさえ乗り切ってしまえば、後半のパートは技術的に難しくはないでしょう。

もちろん決して楽ではありませんが、参考動画にあるようにボテに腰掛けてしまえばゴール取りも安定します。

白12番


中盤から後半にかけて難しい箇所が連続します。

まずは中間地点にあたるアンダーがやや曲者です。

かなり浅いため、むやみに保持しようとしても辛くなります。

ここはアンダーの基本に忠実になって、左足を上げることで重心を高くしてください。

左足を上げることで保持感が良くなります。

その次のホールドの持ち感の悪さも厄介です。

そのままではかかりが悪く、手前に引くことが難しい形状シェイプとなっています。

このホールドは右方向に利かせやすくなっているので、次のホールドを取りにいこうとすれば利いてきます。

ただし、このときに壁から離れないよう、壁にしっかりと近づいた状態を意識して動くようにしてください。

このホールドの次も手前に引けるタイプのホールドではないため、壁から剥がれると取ることが難しくなります。

取り先もかなり悪いので注意してください!

いよいよゴール取りですが、これが最大の核心です。

右手が相当に悪いにもかかわらず、かなりダイナミックなクロスを決めなければなりません。

コツとしては、上体の振りを利用して、右方向への重心移動を大きく行なうこと。

下半身の力で蹴り出すことが難しい状況なので、上半身のボディーワークを意識してください。

大きく動かないと、左手がゴールに上手くかかりません。

ひとことアドバイス

3級・2級になってくるとホールドもかなり悪く、動きの鋭さや精度も高いものが要求されるようになってきます。

が、どんなにグレードが高くなっても、基礎が大事であることに変わりはありません。

とくに3級を安定して落とせるかどうかは、技術の習熟度を測る1つの分水嶺です。

ここまではセンスや感覚で登ってこれた方でも、基礎の理解が甘い場合はここで停滞しますので、攻略に難しさを感じている場合はいまいちど、クライミングの基本を振り返ってみると良いかもしれません。

当ブログには基礎的な技術をご紹介した記事がいろいろとありますので、ぜひそちらを参考にしてみてください。


今回もご覧いただきありがとうございました。

それではみなさん。

ガンバです!


提供:ボルダリングジムBolBol