【課題解答集】105°壁 3級・2級の登り方【’23年6月〜】

3級課題

青10

別解(手目りにヒール使用)


最初の難関は2手目取りです。

距離のあるこのターゲットを狙いにいく方法として2通りの攻略法ご紹介します。

1つ目の方法はある意味で真っ向勝負で、1手目のホールドを引きつけて一気に立ち上がります。

マッチをしてタメをつくります。
右足はフラッギング気味にして、左足で一気に立ち上がります。

もう1つは右足のヒールフックで解決する方法です。

ヒールが外れないようにするためには、漫然とひっかけておくのではなくしっかりと押し当てる意識が大切になります。

スタートホールド(右手)にヒールをかけます。
足のかきこみを意識して身体を壁に引きつけましょう。

そして、最大の核心はゴール取り。

直前のピンチホールドが悪いために、安定して取りに行くことが難しくなっています。

このホールドをむやみに頼ろうとすると苦戦しますから、ゴールがガバであることを利用して思い切って出てしまうと良いでしょう。

また、そのときには左手よりも右手でしっかり引きつけてデッド気味に出るようにするのがオススメです!

左手のホールドはかなり悪いです。
そのため、引きつけは右手メインで行なってみます。
左手単独で保持している時間を極力なくすため手早く取りにいきます。
右手でしっかりと引いていることに注目してください。

青11


言わずもがな初手のランジが最大の核心です。

ランジを成功させるためのポイントは3つ。

1)しっかりと引きつけて壁に入る。

2)思い切り蹴る。

3)引きつけきる直前で手を離す。


引く・蹴る・タイミング。

この3要素がランジ成功のポイントです!


とくにタイミングについて詳しくご説明します

まず、早く離しすぎると壁に十分に入れないので届きません。

一方で、壁に入りきってしまったあとに飛び出すと、手を離した瞬間に壁から遠ざかってしまいます。

というわけで理想的なタイミングとは「壁に近づききってしまう直前」ということになります。

飛び出したあとも壁に入っていける(近づいていける)ように意識してみてください。

青12


1手目取りからさっそく難しい課題です。

手に足スタートで身体を安定させるためには、しっかり壁に近づいておくことが大切です。

下の画像をご覧ください。


左手の肘がかなり曲がっていることが確認できると思います。

それだけよく引いていて、身体を引きつけようとしているのです。

このように壁に接近しておくことで身体を安定させやすくなります。

取りにいくときも左腕でしっかり引きつけた状態を維持しています。

続けざまに、連続しているドーナツも難所の1つです。

スローパー攻略のコツはいろいろとありますが、1)猫背にならずに腰(重心)を壁に近づけることと、2)背中の力を使って手のひらを強く押し当てること、の2点をまずは意識してください。

肘がやや曲がっていることに注目してください。
手のひらを強く押し付けようとしているからこうなるのです。

最後の難関はゴール手前のホールドの扱いです。

重心が低いうちはなかなか利かせることが難しいため、足を上げてくる必要があります。

この段階ではあまり持てていません。
なので、右手メインで保持しておきます。
足をここまで上げれば、左手が利いてきます。

2級課題

白10


最初の難関は2手目取りです。

スローパー気味のなめらかなカチのため、持ち感がかなり悪くなっています。そのうえ、取りに行くまでの距離もあります。

距離を出しつつ、的確に捕捉するためには、壁にしっかりと近づくことが必要です。

タメをつくってデッド気味に飛び出し、壁に最接近したところでホールドを取れるように意識してみてください。

狙いを定めつつタメをつくります。
壁に近づいていけるようにいったん距離を取るのです。
壁との近さに注目してください。
(すこしボケていて見づらいかもしれません……)

このホールドの次の1手もかなり悪いです!

動画ではあっさり取っているように見えますが、苦戦する人が続出しています。

手前よりもやや奥のほうが取りやすくなっているので、狙いを定めていきましょう。

奥のほうは比較的指がよく入ります。

そして最後の難関がゴールマッチです。

ゴールホールドに利かせるためには、左足を若干内側に入れつつ右足のスメアをきっちりと張りましょう。

また、ホールドの向きに合わせるよりは、手前に引っ張るくらいの意識のほうがよく持てます。

指に力を強くこめて手前気味に利かせます。

白11


顕著な核心がないかわりに地味に悪いパートが続く課題です。

まずもって1手目から出しづらくなっています。

ガストン(外引き)で出していきますが、親指の付け根を押し当ててピンチ気味に保持する意識を持つと安定感が増します。

ただガスをするというよりはピンチしています。
左足の置き場も悪いので、基本に忠実になってつま先を意識します。

続けては半球ホールドからの三角ボテ取り。

オススメは足の入れ替えなどは行わず、右足で蹴り出して左手で取りに行くことです。

この動作を安定させるコツとしては、右手で半球のもっとも良いところを押さえることが挙げられます。

右手が半球のてっぺんを捉えています。
ピンチというよりはカチだと思ったほうが保持しやすいでしょう。
いったん沈み込んでタメをつくり……
蹴り上がって取りにいきます。

続いての難題は四角ボテの扱いです。

いろいろな手順がありますが、ここでは動画でご紹介している方法を詳細に確認しましょう。

まずはボテのてっぺんを取ります。
左方向に利かせたいのでラップ気味です。
右手を利かせたまま左手を寄せてきてマッチ。
右手を送って、左手をラップに返します。

なお、動画ではご紹介していませんが、直前の三角ボテに足をかけて安定させる方法もあります。

最初に右手でボテの右側の辺を保持し、ヒールフックで安定させてからボテのてっぺんを左手で捉える方法です。

この時点からボテの右側を狙っていきます。
そして左手の三角ボテに手に足をして、左手を外すのです。

最後はゴール取りのマントル返しです。

重心が右側に残ったままだと動けないので、まずはいったんボテに左手を戻してから、そちらに体重移動すると楽になります。

ここからいったんボテに戻ります。
左手で取れたら腰がボテに近づくので身体を上げやすくなります。

白12


最初のポイントはトゥフックです。

ヒールもそうですが、ただ漫然と足をひっかけるだけではかかりません。

トゥの場合は、つま先が地面から離れる方向に足を反らせることが重要です。

そのためにはすね側の筋肉の収縮を意識してみてください。

この体勢がつくれないことには話が始まりません。
まずはトゥの利かせ方を身に着けましょう。

続いてはトゥ解除と同時に飛び出しです。

ここは足よりは上半身の力でしっかりと引き付けることが重要です。

トゥはあくまでブレーキであり、これを解除しても前方への推進力は生まれません。

また、右足のフットホールドも心もとないので、あまり大胆に蹴ることはできません。

つまり下半身は安定に寄与しているだけなので、キャンパシングのような感覚で、ほぼ上半身のみの力によって壁に入りつつ距離を出しています。

肘の角度に注目してください。
出る瞬間にかなり引きつけていることがわかります。
ホールドを捉えた右腕の角度に注目してください。
伸び切ることなく力を入れて耐えていることがわかります。
さらには左手を返してピンチすることで振られに耐えやすくします。
ただし、空中でここまでやるのはかなり難しいです。

このダイナミックなムーブを成功させても油断は禁物。

じつはゴール手前で落ちる人も多いのです。

ここから上手く身体を返せない人も少なくありません。

まずはこの画像のようにヒールをかけて右手をクロス気味に出していきます。

しかしその後、上手く身体を返せない方は脇が開いて力が逃げているケースが多いです。

姿勢からして脇が開いてホールドを左から押そうとしてしまいがちですが、脇をしっかり締める(肘を内側に絞る)ことを意識すれば、力をこめやすく、身体を返しやすくなります。

セッターさんのお手本をよく見てください。
背中が上がらず、脇が開かず、じつに美しく保持し続けています。




提供:ボルダリングジムBolBol