12月からリニューアルされた130°壁。
過去一番のホールド量にくわえ、ボテもふんだんに使われていてにぎやかな仕上がりとなっております。
今回はそのなかから5級・4級の課題をご紹介していきます!
5級課題
シンプルな課題がそろっているので、初心者の練習にはもちろんのこと、中級者以上の方が基本を確認するためにも適しています。
傾斜がきついだけにかなりパワーを使いますが、技術的にはさほど難しくありませんので、基礎体力向上に大いに役立ててください!
緑16番
いきなり1手目を保持するのに苦戦している方が多いようです。
小さいホールドなので初心者の保持力ではけっこう厳しくなっています。
どうしても持てそうにないときは、逆説的ですが「持とうとしない」という選択もしばしば有効です。
具体的には、1)飛ばせるなら飛ばしてしまう(使わない)か、2)反対の手をメインに保持するのどちらかです。
2番目の方法を選ぶ場合は、右手に頼らず、持ち感の良い左手のホールド(スタートホールド)で引くことを意識して、素早く2手目を取りにいくようにしてみてください。
ここを乗りこれば難所というほどの難所はなくなります。
とはいえ、初心者のうちはフットワークがおろそかになって苦戦することがしばしばです。
単純そうなルートでも、足の置き方を間違えると途端に難易度が上がります。
たとえば、下のシーンでは足の入れ替えが有効です。
緑17番
1手目から2手目までがやや遠いので、そこが最初の難関です。
スタートホールドに”手に足”を決めることができれば、ダイアゴナル(側対)ムーブで効率的に距離を出せるはずです。
一般的には腰が壁に近いほうが負担が小さくなるというのがクライミングの常識ですが、例外の1つとして、手に足をする場合には懐にスペースをつくる必要があるので腰を壁から遠ざけます。
この課題の核心はゴール手前に連続している小さなホールドです。
手でどうにかしようと思いがちですが、大事なのは足です。
下部には良い足場がそろっているため、しっかりとホールドを踏みつけて体重を預けることを意識してください。
なお、このように終盤に核心が控えているルートにおいては、それ以前のパートを手際よくさばくことで体力を温存することも大事です。
緑18番
2手目から3手目の距離だしが最大の核心です。
距離を出すコツはいろいろとありますが、足場が良いときには脚力を使うことを意識してみましょう。
また、あえて一回壁から遠ざかることにより、上半身が戻るときの反動を利用できます。
4級課題
大きな動きが求められる4級課題。
それぞれのルートの核心部ではパワフルな距離だしが要求されるのでかなりタフです。
筋力はもちろん必要ですが、効率よく身体を動かす技術力が求められるようになります。
腕の力だけに頼らず、脚力や反動なども利用してダイナミックに動けるようになっていきましょう!
水色16番
全体的にかなりパワフルな課題で、おそらくは4級中最難です!
まずもって、初手取りがかなりのハードです。
少しでも負担を軽減するためには、身体を壁に近づけましょう。
腕は完全に伸ばしっぱなしにするよりも、ある程度引いておいたほうが楽になります。
そして、この課題最大の核心は壁の傾斜が変わるところでのクロス取りです。
成功させるコツは3つ。
(1)準備動作として腰をいったん離して上半身の反動を利用すること、(2)脚力を使うこと(左足でしっかり蹴り上がること、(3)右手でしっかり引くこと、の3つです。
すべてを完璧にこなす必要はないので、意識しやすい1つだけでも実行しようと試みてください。
水色17番
この課題は中盤のヒールフックが核心となります。
ホールドが大きいので、一度フックできてしまえばそれを維持することは難しくありません。
しかし、フックをかけるときに脚ばかりを意識すると、保持がおろそかになって体全体がブレてしまい、結果的には脚の操作も不安定になります。
脚を安定して動かすためには、両手でしっかりとホールドを保持するように意識してください。
次のポイントは、角度の変わり目にあるホールドを狙うときの力の入れ方です。
体勢からして、腕だけで引くのは辛いものがあります。
ヒールしている左足による”かき込み”(足でホールドを引きつけようとすることで、結果的に体が引き上げられること)を利用しましょう!
水色18番
最初のポイントはスタートへの手に足によるヒールフックです。
2手目のホールドがアンダーについているため、こうして事前に重心を上げておく必要があります。
フックをかけるコツはいろいろありますが、初心者のうちはとにかく強く押しつけることを意識しましょう。
そのためには足先ではなく脚の付け根から意識する必要があります。
フックという言葉とは裏腹に、軽く表面にひっかけるだけでは利いてこないことにまずは注意してください。
次の難所は、光沢が不気味な2枚のホールドが連続しているパートです。
2枚目を取りにいくところで苦戦している人が多いようです。
このパートはいわば”心理的な難所”。
持ってみると持ち感は良いことに気づけるのですが、取るまでは不安で、また、持ち感を確認したあとでも手の入る範囲の狭さに尻込みしがちです。
少し厳しいことを言うようですが、足りないものは技術や筋力というよりは”思い切るための勇気”だと自覚していただけると、覚悟が決まると思います!
そして、最後の核心はゴール取り。
手前のホールドからガストン(身体の外側に向かって引く技術)で取りにいきますが、スローパー気味になっているので雑には引けません。
こういうホールドから飛び出すときには、頭から突っ込んで身体がくの字になるのは絶対NGです!
なぜなら、そのような姿勢になると手前に引っ張ることになってしまい、このような形状のホールドでは身体を支えきれなくなるからです。
実際、動画をよく見ていただくと、身体を引きつけると同時に腰をぐっと壁に詰めていることがおわかりになると思います。
このように、腰(重心)が置いてきぼりにならないようにするのが大切です。
ひとことアドバイス
130°の壁は求められるパワーが格段に大きく、苦手意識を持つ方も少なくありません。
ところが、ある意味では初心者にとって向いている壁かもしれません。
筋力が大いに求められる反面、技術的にはオーソドックスでシンプルな傾向にあるからです。
技術の習得にはさまざまな工夫が必要ですが、繰り返し挑んでいれさえいれば筋肉はメキメキと向上していきます!
つまり、初心者でも努力が報われやすい壁だと言えるのです!
その一方で、避けてしまっているといつまでも登れるようにはなりませんし、サボってしまうとすぐに筋力が弱ってしまいますので、筋トレだと割り切って継続的に挑戦していくことをオススメします!
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol