【課題解答集】115°壁 5級・4級の登り方【’23年3月〜】

5級課題

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最初の難所は青いボテの扱いです。

スローパー的な持ち感になっているので、腰(重心)を壁に詰めて”手前”ではなく”真下”に力を利かせられるようにするのがコツです。

腰をくっと詰めてボテの真下に入れましょう。
身体が安定してマッチしていくことができます。
真下に力を利かせている様子がわかります。
背中を意識してボテを強く押さえつけるようにしましょう!

2番目の難所はゴール手前の長細いホールドの扱いです。

左手で取りに行きますが、向きが悪いため体勢を整えるまでは持ちづらくなっています。

以下の画像とコメントを参考にして、残した右手に頼って右足を操作し、適切にポジショニングして安定を図ってください。

左手を届かせた時点では持ち感が悪いです。
この時点ではむしろ右手の保持を意識します。
右足をボテのトップまで持ってきました。
こうすると身体が安定して左手の利きがよくなります。

なお、はじめから右足でボテのトップを踏めていれば、左手でホールドを取った瞬間に安定します。

ですが、その場合は取りに行くときに窮屈な思いをしがちですので、痛し痒しといったところです。

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この課題は”寄せ”の練習です。

”寄せ”とは、左右に伸ばしていた腕を身体側に寄せてくるようにしてホールドを取りに行く動作のことです。

次の画像を見てください。

ここから左手を出して……
自分のほうに寄せるかたちでホールドを取ります。
動画で見るとよくわかるかもしれません。

次のホールドが前のホールドよりも横方向について近い位置にあるため、伸ばしていた左手を身体に寄せてきています。

こういうときは、広がっていた四肢が閉じるときに生じる”勢い”を殺すことが必要になります。

次の箇所も同様に”寄せ”です。

隠れてしまっていますが、今度は右手を寄せます。
さきほどよりも大きく「寄せる」ことになります。

”寄せ”の勢いを殺して安定させるためのコツは、身体を壁に近づけることです。

身体が壁から遠いほど寄せてきたときの衝撃が大きくなり、耐えるのが大変になってしまいます。

そのため、腰をしっかりと壁につめて、肘が軽く曲がるくらいに腕でも身体をひきつけておくのがオススメです。




そして。

この課題の核心はゴール取りのための距離出しです。

1つ手前のホールドからはかなり距離があるので、勢いよく狙っていく必要があります。

このときのコツの1つはしっかりとタメをつくることです。

出る直前にぐっと沈み込んでタメをつくっています。

また、脚力で立ち上がりつつ、腕の力で身体を引きつけることも大切になります。

腕だけに頼るのは禁物なので、脚力を意識するのはそのとおりなのですが、その反対に腕でまったく引き付けないと、どれだけ立ち上がっても壁から剥がれてしまってホールドが遠くなります。

左腕の肘が曲がっています。
しっかり身体を引きつけている証拠です。

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「ここが難しい!」という箇所はとくにありませんが、上達のための大切なヒントがつまった課題です。


まずは2手目をとる際にフラッギングの練習ができます。

フラッギングとは、一方の脚を反対の脚で追い抜くように振ることでバランスを整える技術です。

足の入れ替えを省略できるので、省エネや窮屈な箇所の攻略にたいへん重宝します。

この角度だと少しわかりづらいですが、左脚を右脚より右側に降っています。
原理はこちらをご覧ください。

もう一箇所クロスで取るところがあります。

ここでも身体のバランスについて学べます。

さきほどのようにフラッギングする場合を除けば、一般にクライミングでは”離したい手”と同側の足で高い足場を踏んでおくと安定します。

上の画像はクロスで左手を出したところです。

それゆえに、その直前に左足で高い足場を踏み、対角線支持を実現することでバランスを安定させています。

右手・左足の対角線支持で安定しています。
こちらで原理を確認していただくとさらに理解が深まるでしょう。

ところで、クロスムーブは初級者のうちはなかなか思いつきづらいムーブなのですが、そうした初級者の頭から抜けがちな選択肢がもう1つあります。

それは”送り”です。

これは同じ側の手をさらに先に送るムーブのことで、左手・右手と順序よく手を動かしたがりがちな初級者のうちは忘れやすい選択肢となっています。

右側にホールドが連続しています。
こういうときは、もう一度連続で右手を出します。


このように基礎練習に適した課題となっておりますので、一度の完登で満足することなく、ぜひとも反復練習にご活用ください。

4級課題

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中盤に連続する2つの岩っぽいホールドが核心です。

1つ目もなかなか悪いのですが、それを保持してからの2つ目取りが難関です。

重要なのは保持の仕方(ホールドの狙う箇所)で、トップというよりは右側面を意識するのがオススメです。

右手の保持が重要です。
トップも持ちやすいのですが、右側に力が利かせやすい状況なのでこのように持ちます。

無事にこのホールドを保持できても、次を狙うときのバランスの悪さも厄介です。

足を入れ替えてもよいのですが、フラッギングで対応すれば手にかかる負担を軽減することができます。

左脚を右側に降ってバランスをとりましょう。

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これはオブザベ核心(オブザベが肝)な課題です

ポイントは2箇所の”送り”を見抜けるかどうかです。

まずは左手の送りです。

ここでは左手を送ります。

続いては右手の送りです。

次はアンダーを取った右手を送ります。
まずは右足を上げて……
ダイアゴナルで右手を出します。

もちろん、最適なムーブは得意不得意や背丈でも変わるので、これが絶対的に正解というわけではありません。

しかし、たとえば1つ目についてはホールドの向きからして”送り”が合理的です。

基本的にホールドは握手するような向き(手のひらが内側になる向き)で取るのが自然ですから、左手で取るほうが理にかなっています。

左手の平が自分のほうを向いており、自然に保持できます。

ところが、原則があればもちろん例外もあります。

1手目はむしろ逆引きのクロスがオススメです。

手のかたちの自然さよりも、その後の手順や身体の動かしやすさを優先した結果です。

内向き(順手)ではなく外引き(ガストン)になっています。

一方、強度の観点で言えば、核心は3手目取りです。

残し手も取り先も悪くなっていますが、左手の保持と、右手がホールドに触れた瞬間に親指で押さえてピンチすることを意識してください。

この1手がおそらく最難です。

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核心は中盤部での右手の”寄せ”です。

5級課題の14番の項でも書きましたが、”寄せ”をコツは壁に身体を引きつけること。

これにより、広げていた身体が縮まるときの勢いを制しやすくなります。

ここから右手を寄せてきます。
右手を離すと同時に、デッドポイントの要領でぐっと身体を引きつけて壁に近づきます。
これにより”寄せ”の衝撃を緩和することができます。

ゴール取りもなかなかの難しさです。

ムーブさえ決まってしまえばさほど苦労はしないはずですが、見つけるまでが大変です。

足をつっぱる位置などに気を遣い、ポジショニングが決まったあとも踏みつける力を抜かないように注意しつつ、ゴールの保持を狙ってください。

ゴールを取りに行くときはキョン足で右足メインで突っ張ります。
取ったあとは左足の位置を上げ、左足メインで身体を安定させましょう。