前回のあらすじ!
プロクライマーも参戦する国内最高峰のコンペである”The North Face Cup(通称TNFC)”。
各地の予選会を勝ち抜けたクライマーだけが出場できる本戦大会、つまりは全国大会に男女1名ずつが挑むことになりました。
そして、女子の本戦予選が終了。
その内容は。
カエちゃん、大爆発!
”カエちゃん”こと1年生の渋谷佳依選手が、ボル部女子エースにふさわしい大活躍を見せてくれました。
上の写真の課題を見事に一撃したのを皮切りに次から次へと完登を重ね、見事2位で通過しました。
ボル部は全国大会で通用する!
そんな雰囲気をつくってくれました!
ということで。
つぎは男子の出番です。
始まったのはDivison3。
「初段以上」がグレードの目安として公式HPにも書かれているハイレベルなカテゴリーです。
この闘いに挑むのは。
内藤雅琥選手!
開始10分で早くも2完登に成功した彼が次に選んだのはこの課題。
初手のランジからはじまり、その後も大きなホールドを抑えていく必要なありそうな、緩傾斜にしてはかなりパワフルな内容に見えます。
スタートポジションにつく雅琥選手。
やや出づらそうですが……
壁に沿ってきれいに跳躍。
そして見事にホールドを保持!
……したかに思えましたが。
勢いを殺し切れずにフォール。
一瞬止まりましたが、一発成功とはいきませんでした。
とはいえ、これは想定内といった落ち着きを見せる雅琥選手。
さらっと切り替えて次の課題へ。
続いて選んだ強傾斜の課題は……
見事に一撃!
続いても傾斜の強いコーナー課題を選択。
大きなホールドから飛び出して。
ランジ成功!
振られにもしっかり耐えます。
身体を安定させポジションをつくり。
ゴール取りも思い切って。
連続で一撃完登!
さらにもう1発!
さすが神奈川県強化候補選手。
最初のミスを一切引きずらず、淡々と着実にリザルトを伸ばしていきます。
ここで電光掲示板を確認すると……
現在15位。
準決勝進出圏内ですが、ギリギリです。
「順調なわりにリザルトが芳しくないな」と怪訝に思っていたのですが、別選手の保護者の方と確認し合ってその理由が判明しました。
このリザルトは間違いでした。
完登したはずの2課題が反映されていません。
ということで、実際の順位はもっと上。
しかし、雅琥選手の保護者とも相談し、本人の集中を妨げないように黙っていることにしました。
というわけで、集中し続ける雅琥選手。
ダイナミックなスタートポジションです。
右手で押さえつつ立ち上がり。
出前持ちとキョン足で耐えつつ左腕を伸ばします。
何気なくやっているように見えますが、傾斜もそれなりに強いため、プッシュがかなりキツいはずです。
窮屈なスタンスから足の入れ替え、クロス取り。
その後も順調にトラバースしていき、ゴール手前までやってきます。
最後はかなり距離がありますが……
思い切りよく飛び出す!
しかし、わずかに及ばず。
一撃が狙えそうだっただけに、落ちた瞬間は本人もかなり悔しそうでした。
とはいえ、すぐに切り替えて次の課題に移ります。
序盤に挑み、初手がとれなかった課題に再挑戦。
ランジの距離は十分。
前回はこられきれず落ちましたが……
今回は成功!
そのまま見事に完登!
ここでスクリーンに目をやると、順位はあいかわらず通過ギリギリの13位。
間違いなので気にしません。
実際、雅琥選手も危なっかしいリザルトとは裏腹に順調にトライを重ねていきます。
さきほどゴール取りで落ちた課題も、下部をスムーズに攻略して再度ゴール取りまでやってきました。
しっかりと狙いを定めてタメをつくり。
リベンジ・ランジ!!
見事に止めてリベンジ成功!
ほかの人の登りを見て参考にすることができるセッション方式とはいえ、課題はもちろんすべて初見。
事前に課題の内容とポイントを把握するオブザベ能力はもちろん、実際にトライして失敗から学ぶ修正力がコンペでは試されます。
雅琥選手はそんな修正力を存分に発揮し、セッションの終盤に一気に課題を回収していきました。
そして、タイムアップ。
雅琥選手、終始マイペースに闘い抜いてくれました。
さて、結果は……?
2位で準決勝進出!
リザルトの間違いも修正されて、見事な成績での通過となりました。
元チームメイトの松平瑠良選手も見事に予選通過。
いっしょに登り、ともに好成績を収めてくれる姿を見せてもらえて、応援する側としてもとても楽しめました。
瑠良選手、ありがとうございました!
準決勝進出を記念してみんなで一枚。
前回の記事とあわせて、以上で本戦1日目のレポートは終了です。
この翌日には準決勝・決勝が行なわれました。
しかし、準決勝は残念ながら突破ならず。
予選2位という好成績で通過した佳依選手と雅琥選手でしたが、どちらも振るわず、それぞれ11位と12位という結果になりました。
全国大会での入賞の壁は厚く、課題もまだまだたくさん残されているのだと痛感しました。
とはいえ、創部4年目にして全国大会を経験できたことはボル部としては大きな財産。
これから始まる都道府県大会にも良い雰囲気で挑めそうです。
最後にTNFC2024報告をまとめておきます。
ぜひ通して読んでいただいて、TNFCの流れを知ったり、ボル部の活躍を楽しんだりしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol