ボルダリング神奈川カップの報告レポート

こんにちは! BolBolです!

告が遅くなってしまいましたが、今回は2022年4月に行われた第7回ボルダリング神奈川カップについてお伝えしたいと思います。

BolBolからはスタッフを含めて総勢8人が参戦。

それぞれが日頃の練習の成果を発揮して頑張ってくれました!

そんなみんなの勇姿をご覧にいれたいと思います。

みんなで記念撮影!
応援に来てくれた小学生や、かつてのチームメイトもいっしょに。

メンバー紹介と結果

場したメンバーの顔ぶれを出場区分別にご紹介します。

BolBolが誇る自慢のクライマーたちです!

エキスパートジュニアの部

男子は「BolBol ボルダリング部」から中学生と小学生の5人参戦。

みんな小さい頃からBolBolで登り込んでいた精鋭たちです。

まずはボルダリング部副部長の渋谷軌ノ輔選手。

草コンペでは今年の東京選手権決勝進出者を破ったこともある実力者でしたが、本大会は直前の怪我の影響から本来の力を出しきれませんでした。

それでも、無完登者が続出する予選において22名中10位の健闘ぶり。

現在中学2年生なので、次回は大人に混じって戦うことになりますが、優れた集中力と豊富な練習量で成長を続ける彼には期待が高まります!




続いては期待の新一年生・原輝久選手。

本大会で一番の大金星を上げました。

エキスパートジュニア男子で準優勝を果たした彼は、神奈川県強化選手に大抜擢!

普段はもの静かですが、登るとき(と遊ぶとき)はすさまじい熱量を見せてくれます。

その力強い登りっぷりは後日たっぷりご覧にいれます。

準優勝者として表彰台に上がりました(左)!



続いては同じく新1年生の内藤雅琥選手。

すさまじい保持力によるカチさばきを武器とする彼もまた、ボルダリング部が誇る期待の新人です。

大きな動きやボテの扱いはまだまだ発展途上のために本大会は苦戦を強いられ、結果は予選14位に留まりました。

とはいえ、備えている基礎スペックは抜群なので、今後の成長が楽しみな選手です!




中学生最後の1人は津田脩平選手。

コーディネーションやランジなど、ダイナミックな動きを得意とする元気な1年生です。

コンペ経験が少ないためか、本大会は十分に実力を出し切ることができず、最終リザルトは予選17位。

とはいえ、優れた運動センスにくわえ、日頃からクライミングを満面の笑みで楽しんでいる彼ならば、来年はきっとさらに楽しいステージに上がっていけることでしょう!




唯一の小学生参戦者となった原英史選手は、さきほどご紹介した原輝久選手の弟です。

小学生のなかでもかなり小柄な彼にとって、中学2年生までが対象の課題はリーチの面でかなり苦しいものがあった様子。

それでも、兄ゆずりの闘争心で最後まで積極的に登り続けました!

結果こそ最下位となってしまいましたが、年齢的にエキスパートジュニア部門への挑戦権をあと2回残していますので、兄を追って強化選手になる未来も遠くないでしょう!



続いてはエキスパートジュニア女子部門です。

BolBolからは唯一、渋谷佳依選手が挑みました!


「カエちゃん!」と呼ばれてみんなから親しまれる彼女は、さきほどご紹介した渋谷軌ノ輔選手の妹。

小柄なためリーチで苦労することもありますが、クライミングのほかに体操もやっている彼女は抜群の身体能力を誇り、届きさえすれば初段以上の課題もほいほい落とす実力を備えています!

まだまだコンペの経験不足のためか、今回は予選9位という結果に留まりましたが、来年は中学生になるのでさらなる活躍が楽しみです!

一般中学生の部

続いて、一般中学生の部に参加した選手をご紹介します。

ボルダリング部の女子部員、國原さくら選手です。


中学生になってからクライミングをはじめ、これが初めてのコンペ出場となりました。

当日はめちゃくちゃ緊張して、頭が真っ白になったとか。

そんな彼女も今年6月でクライマー1周年!

運動経験はさほど多くないにもかかわらず、女子には珍しいパワフルな登りを得意としていて、メキメキと順調に上達しています。

今回は6位だったので、初出場にして初表彰台とはいきませんでしたが、クライマーとしても中学生としても貴重な経験をできたようです。

次回の挑戦ではもっと楽しく登れるようになることでしょう!

エキスパート(中3以上)

最後に、エキスパート男子に出場した選手をご紹介します。

BolBolスタッフの加藤拓真です!


断トツの最年長での出場となった本大会。

次に年齢が高い選手とさえ10歳もの開きがありました。

周囲はフレッシュな若手ばかりという状況でしたが、日頃から外岩で鍛えたベテランの技を駆使して18人中11位の大健闘!

なんならあと1課題登れていたら決勝進出でした。

あくまで岩場が本領というスタンスの彼ですが、このまま鍛錬していけば、来年は決勝に進んじゃうかもしれません。

以上8人! みんな全力で登りこみました!

課題の振り返り

大会の内容のさらに詳しいご報告として、ボルダリング部の中学生たち4人にエキスパートジュニアの課題を振り返ってもらいました。

予選課題

予選からシビアな課題の連続となったようで、全完者はなし。

4位以下の完投数は3本以下であることからも、かなり厳しい内容だったことが伺えます。

実際、準優勝を果たした輝久選手も予選は3完登に留まりました。

以下、とくに部員たちにとって印象深かった5課題を振り返っていきます。

まずはこちらの課題。

見るからに持ち感の悪そうなボリュームが連続しています。実際、「見た目以上にのっぺりしていた」と脩平選手から感想が出ました。

なかでも、画像内で輝久選手が手をかけているホールドが極悪だったそうで、大半の人は飛ばしていたとのこと。

とはいえ、雅琥選手は使おうと試みたようです(彼は課題に対してかなり律儀なところがあります)。




続いてはこの課題。

ダイナミックな傾斜課題と思いきや、選手たちいわく、やはり持ち感がネックな課題だったようです。

問題の箇所は今まさに輝久選手が保持している次の小さな三角ボテ。

これを取れば次はゾーンですが、持ち感が最悪でどうにも攻略が難しかったとのこと。

画像のように先に足を送ってバランスを整えようにも、なかなか遠かったようです。


ダイナミックな動きを得意とするパワフルな軌ノ輔選手は、これに飛びつきゾーンホールドをピンチ!

このあと惜しくも振られて落ちてしまいましたが、フィジカルモンスターである彼のこと、コンディションが万全なら取れていたかもしれません。

選手たちに話を聞いていると、今回のエキスパートジュニアは持ち感の悪いホールドへの対応力が勝敗を分けたようです。実際、予選・決勝ともに掴みどころのない木ボテが頻出します。





なんて言っているそばから登場したのは、掴みどころのない三角木ボテで構成されたこちらの課題。

挑戦した部員全員が、口をそろえて左手のボテの持ち感が最悪だったと言います。

雅琥選手いわく、フリクションもさほどないため扱いがかなり難しかったようです。

上の画像のように、輝久選手は当初これらを左右から挟み込むように保持しようと試みますが、落ちてしまいます。



ところが、さすがに強化選手に選ばれただけのことはある輝久選手。

右手をアンダーにかけて左手を送っていき、三角錐の2つの頂点が最接近したところでピンチすれば良いことを発見しました。

掴みどころのないホールドの突破口となったのは、このムーブを考案する知恵だったようです。



こうしたひらめきは、日頃からボテの使われた課題を登りこみ、ムーブについて試行錯誤していなければ生まれません。

また、ムーブに気づけても持ち感の悪さに変わりはなく、正確にホールドを捉え続ける技術とバランス感覚も必要です。

心技体に加えて日頃の訓練の成果も試してくる良問だったと言えます。





続いてはカチが点在するいかにもバランシーな垂壁課題。

カチはたんに薄いだけではなく、やはり持ち感が悪かったとのこと。

雅琥選手いわく、とくに画像内で輝久選手が左足を置いているホールドと、左手で保持しているゾーンホールドが極悪で、前者は滑りやすく、後者はとても保持してムーブを起こせる代物しろものではなかったそうです。

実際、輝久選手はゾーンホールドから左手を送ることで完登を果たしました。

また、「股関節が死にかけた」とは脩平選手の感想。柔軟性も試される課題だったようです。





最後は、スピーディーな処理とバランス感覚の両方が試されたこの課題。

まずは挨拶がわりの同時取り。勢いよく出て左右のホールドを保持します。

左手がゾーンホールドになっていることからも明らかなように、初手が1つ目の核心です。



そして、もう1つの核心がゴール取り。

右手がかかっているゴール手前のホールドは決して悪くない持ち感だったようですが、向きが悪いためカチに左足を乗せての正対は困難。

よって、足を入れ替えて左に体重をかけるようにし、ダイアゴナル気味にゴールを狙います。


ところが、このフットホールドがまたしても極悪だったようで、ここで落ちる選手が続出。

そんななか、「強化選手に選ばれた秘訣は?」と尋ねたら「重心移動」と返答してくる輝久選手は、さすがのボディバランスでこの難題を攻略して完登しました!

決勝課題

さきほどお伝えしたとおり、本大会では原輝久選手が決勝に進出し、準優勝という好成績を見事に収めました。

そこで、強化選手にも選ばれた輝久選手の登りを後日改めて特集したいと思います。

決勝戦で出題された3つの課題すべての詳細についてもそのときにお伝えしますので、彼の登りっぷりと合わせてぜひチェックしてみてください!

決勝を戦う輝久選手の登りっぷりをチェックしてください!

総括

上が、神奈川カップでのBolBolクライマーたちの奮闘でした。

ご報告が遅くなってしまいましたが、楽しんでいただけたでしょうか。

出場されたクライマーのみなさんは当日のことを思い出したり課題の内容を復習したりに使っていただければうれしいですし、当日の課題内容をご存知なかった方々とそれを共有することができていれば幸いです。

ところで、写真の一部は「スポーツクライミングチーム神奈川」様からご提供いただいたもので、許可していただいたうえで掲載しています。

この場をお借りして、お写真のご提供に感謝申し上げます!

同じく、動画や写真をご提供くださった選手たちの保護者のみなさま。

このたびはご協力いただきありがとうございました!

また、当日の応援お疲れさまでした。

今回の記事をご覧になられた方々も含め、みなさま、今後ともBolBolクライマーたちへの応援をなにとぞよろしくお願いします!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではみなさん。

ガンバです!


提供:ボルダリングジムBolBol