こんにちは。
ボルダリング部顧問の橘です。
年に一度の大舞台が今年も開催されました。
4月7日〜8日と2日間に分けて、神奈川県秦野市は丹沢クライミングパークで行なわれたのは、強化選手選考会も兼ねた公式コンペ ” ボルダー神奈川カップ ”!
本年度をもって第3期を迎えたボルダリング部は現在、新1年生も含めて総勢20人となりました。
そのなかから、本大会にはエキスパートクラス・一般クラスを合わせてじつに10人もの選手が参戦。
エキスパート女子を除く全カテゴリーにボルダリング部選手がエントリーするという状況に加えて、男女ともに決勝進出者を輩出することできたため、1日通して部員たちの奮闘を観戦することができました。
前編である今回は選手たちの予選での活躍をカテゴリー別にご紹介していきます!
エキスパートジュニア女子
当日、最初に行なわれたのはエキスパートジュニア女子の競技。
まずはボル部の期待の新人、中学1年生の渋谷佳依選手が挑みました。
小学校から体操とボルダリングを続けてきた彼女は、中学生になってもそれらを両立すると決心し、フィジカルモンスターに向かってまっしぐらに成長中。
過去にはこのブログで何度か紹介している彼女ですが、実力はありながらもそれに見合った成果をなかなか挙げられず、とくに今年1月にはTNFC予選においてわずかに1ゾーン差で本戦進出を逃すという悔しい思いをしていました。
ところが、本大会でついに決勝進出を果たし、神奈川県ジュニア女子5強に名を連ねることになりました!
そんな彼女のポテンシャルの高さが光ったのは予選第5課題でのこと。
ゾーン獲得者さえたった1名しか出なかった、ダブルダイノから始まる超難関です。
この課題、佳依選手は完登こそできなかったものの、その身体能力の高さがぞんぶんに発揮。
小柄な彼女にとっては相当に不利な課題でしたが、きわめて高い瞬発力と身体操作のセンスによって、その弱点を補うだけのムーブを見せてくれました。
その瞬間を収めることはできませんでしたが、彼女はこのあとダブルダイノを成功させました。
来年は身長も実力もぐんっと伸びてくるでしょうから、その将来には期待が募るばかりです!
さて、同部門からはもう1人ご紹介したいと思います。
同じく中学1年生の岩﨑和瑚選手です。
じつは彼女は、大会時点ではボル部の部員ではありませんでした。
大会後にボル部の存在を知り、小学生からの内部生がほとんどのなかで、外部からわざわざ入部してくれたのです。
ライバルとして戦った選手が仲間になってくれるという少年マンガ的な熱い展開に、顧問であるぼくも興奮を隠しきれません。
今回は決勝進出とはなりませんでしたが、部活ではすでに高いパフォーマンスを見せてくれているので、この1年で大いに成長し、来年は大活躍してくれることでしょう!
エキスパートジュニア男子
続いては、同じくジュニア部門の男子たち。
まずは中学2年生の内藤雅琥選手です。
リードを得意としており持久力と保持力に優れている雅琥選手は、コンペにも練習にもたいへん積極的。
その熱心さが功を奏して、昨年の神奈川カップでは14位であったところを、本大会では大躍進の予選4位で、決勝進出を見事に果たしました!
大会直前に胃腸炎に見舞われるという超絶バッドコンディションでしたが、すばらしい精神力で成果を出してくれました!
そして、ボル部からはもう1人。
昨年の準優勝者にして強化選手、中学2年生の原輝久選手です!
昨年度は予選4位通過だった彼は、今年は全完しての堂々たる予選1位通過!
全完者は彼のほかには2位通過の仲田選手のみでした。
この1年間でますます強く、そして巧みになった輝久選手。
そんな彼の成長ぶりがとくに伺えたのは予選第6課題。
21名中、完登者はわずかに4名という難関です。
この状態から右手を寄せてマッチをするのですが、その瞬間にバランスが崩れるため、すみやかに奥のホールドへ左手を出し、さらには右手を寄せて来なければなりません。
今年のTNFC本戦(Division1)の第1課題を彷彿とさせるスピーディーな課題ですが、かつての輝久選手はこのタイプの課題を苦手としていました。
ところが、積極的な遠征練習の甲斐もあり、本大会ではばっちりアジャストしてくれました!
ちなみに、この課題はさきほどご紹介した雅琥選手も完登しました。
彼もまた瞬発系の動きはあまり得意ではなかった選手。
この1年で「できないこと」を克服し、「できること」を着実に増やしてこれた証拠です。
努力の成果が発揮された瞬間に顧問として立ち会えて、たいへん光栄でした!
エキスパート男子
ボル部からエキスパート女子への出場選手は不在だったため、最後はエキスパート男子に出場した選手をご紹介します。
ボル部からは唯一、中学3年生の渋谷軌ノ輔選手が参戦してくれました!
ボル部第1期生として中学生活をクライミングとともに送ってきた軌ノ輔選手。
勉強とクライミングを高水準で両立している勤勉なクライマーで、今年はじめにはTNFCのD3予選で健闘するなど、選手としての経験と成長を着実に重ねています。
カテゴリー区分が中学3年生からなので、エキスパートクラスでは必然的に最年少。
そのなかでも順位は中堅どころに位置づけることができ、十分な健闘を果たしました。
もちろん、まだまだ荒削りな部分もあり、とくに緩傾斜だと不器用さが目立ちますが、彼の真面目さを考えれば、そうした弱点はすべて伸びしろと捉えて良いでしょう!
ところで、同部門にはBolBolから加藤拓真コーチも参戦しました。
本大会の常連にして最年長として、今年も全力でチャレンジ!
決勝進出とはならなかったものの、教え子である軌ノ輔選手といっしょに健闘しました。
さらに、BolBolが日頃お世話になり、本ブログでもご紹介させていただいたことのある選手も出場していました。日頃の感謝を込めてご紹介させていただきます。
1人目は大谷拓海さん。
BolBolではたびたびゲストセッターとしてお呼びしており、過去にはインタビュー記事を書かせていただいたこともあります。
今大会は予選7位で、トライ数差で惜しくも決勝進出を逃すという好成績でした。
社会人としてお忙しいなかしっかりトレーニングをされてきたようで、現役真っ只中な学生選手たちに混ざって高い知力と経験値、そしてベテランの登攀技術を見せてくださいました!
もうお一人は大西螢雪さん。
神奈川県屈指の強豪クライマーであり、今大会は濱田選手、番匠選手に次ぐ第3位として表彰台に登りました。
BolBolの加藤拓真コーチが外岩遠征をご一緒させていただいたことがあり、その様子を記事にさせていただいたこともあります。
総括と予告
さて、今回はエキスパート部門の予選の様子をお伝えしました。
結果としてはボル部から出場した5人中3人が決勝進出という、チームとしてたいへん誇らしい成果を上げることができました。
もちろん、そうした躍進の主たる要因は選手たち自身の努力にありますが、そのトレーニング環境としてみんながボル部を選んでくれたこともまた事実。
顧問としてはそれを自慢に感じつつ、前途洋々な若者を預かっているということの重責をいまいちど確認し、気持ちを引き締めていきたいと思います。
また、こうして選手同士が集まることで、コンペ本番にリアルタイムで切磋琢磨できることもチームで活動するメリットの1つ。
選手には練習の頃からポジティブな影響を与え合う関係を構築できるように訴えていますが、その効果が多少なりともあったのであればうれしく思います。
さて、次回はいよいよエキスパート決勝の様子をお伝えします!
リザルトをご覧の方はすでに結果はご存知でしょうが、決勝課題の内容や選手たちのリアルな戦いぶりをお届けする予定ですので、楽しみにしていてください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol