こんにちは、タクマです。
親しくしてくださっている方々はご存知のとおり、ぼくは外岩でのリードクライミングを本領としているクライマーです。
毎年この時期には外岩の高難度課題から「今年の目標」を定めて完登を目指すようにしています。
2021年は瑞牆の”神の手(5.13c/d)”。
2022年に小川山の”サマータイム(5.13c)”。
いずれも超高難度でしたが無事に完登を果たすことができ、年ごとにクライマーとしての実力と自信を着実に積み上げてきました。
そんなぼくが、今年も自身の課題を決定し、実際に現地に赴いてその内容を確認してきましたので、今回はそのご報告をさせていただきます。
2023年の目標課題は!
小川山は屋根岩5峰の”爆熱拳”です!
超高難度課題”爆熱拳”
ぼくには目標を決める際の条件としている事柄がいくつかあります。
まずは超高難度であることが目標の第一条件。
グレードはもちろんのこと、過去の完登者数や現地で確認した課題の内容も合わせて吟味します。
この点に関して、爆熱拳は文句なし。
そのグレーディングは5.13d。
国内最高峰の課題であることはグレードの高さがすでに証明しています。
それに加えて過去の公式完登者はごくわずか。
これはぜひともひと目見たいと、実際に現地に赴きました。
スタートするのが激ムズ
このように言うと、インドアクライミングの経験しかない方たちは「スタート核心ってことかな?」と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。
スタートを切ることが難しいのではありません。
スタート地点への到達がすでに難関です。
課題のある場所まで行くことが地理的にたいへん困難なのです。
まずもって、最寄りの地点から出発しておよそ1時間弱の登山を行ないます。
そんなハードなアプローチを経たさきに待ち構えるこの課題のスタート地点は、直下の足場からおよそ12mの地点にあります。
ここがスタート地点です。
スタート地点に徒歩ではこれません。
到達するためには懸垂下降を行なう必要があります。
そのためアルパインクライミングのロープワークが必須です。
このような事情もあって、そもそも挑戦するクライマー自体がたいへん稀有です。
普段は誰も立ち入らない場所だけに、壁の掃除と安全面の確認にも細心の注意が必要で、ルートの登攀以外にもハードルが多い課題です。
とはいえ、「挑戦者が少ない」というのはぼくが設けている目標選びの条件でもあるので、この点においても爆熱拳は満足のいく課題でした。
挑戦して得た手応え
前述のとおり、スタートする以前からすでに心技体すべてにおいて求められるレベルが高いこの課題。
今回、実際に登ってみるにあたって、コンディションを最大限に温存するための最適なアクセスをパートナーといっしょにたいへん苦慮しました。
そして、実際にトライすることでルートの全容を把握することができました。
直下の足場からおよそ28m地点です。
ぼくの目標選びには「登れる可能性を少しでも感じるもの」という条件もあります。
結論から言えば、この点においても爆裂拳は合格。
つまり、「ぼくなら登れる!」と感じることができました。
もちろん、一朝一夕というわけにはいかず、課題の攻略のためには足繁く岩場に通うことになるでしょう。
自分の休日や天候にも左右されるため、通い詰めるといっても実際にトライできる回数には制限もあります。
それでも、今年のシーズンが終わるまでに挑戦し続ければきっと制覇できるだろうという可能性を感じることができました!
極度の寒がりなぼくとしては、秋が深まるまえには完登を果たしたいところです!
今年も目標達成頑張ります!
そんなわけで、今年も目標の達成を目指して精進していきます。
ちなみに、ぼくの目標選択の最後の条件は「有名な課題であること」なのですが、この点については爆熱拳はやや不足です。
今回お伝えしたような悪環境からか、まったく有名とは言えません。
途中経過や完登をご報告したところで「爆熱拳? ドラゴンボールかなにかの技?」と思われてしまうかもしれませんが、クライマーらしく”かけがえのない自己満足”を目指してトライを重ねていきたいと思います。
というわけで、今回は目標の決定と初挑戦のご報告でした。
引き続き進捗をレポートすることになると思いますので、みなさんぜひ続報を楽しみにしていてください!
必ずや今年も完登してみせます!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol