こんにちは、タクマです
いつもは完登の様子をご報告していますが、今回はすこし違った内容になります。
現在、ぼくはとある「プロジェクト」に挑んでいます。
プロジェクトは完登者不在課題。
トポ(岩場の地図)に記載はあるものの、過去に登れた人はおらず、「だれか登れる人がいたらお願いします」という状態で初登者が現れるのを待っている課題です。
完登した人間がいないので、課題名もグレーディングも未定となっています。
文字どおりの前人未到。
そんなロマンあふれる課題を一目見ようと、紅葉が鮮やかに色づく10月29日に小川山を訪れました。
今回の主な目的は”調査”。
「まずは見てみたい」という好奇心で現地を目指しました。
だれも登れていないのですから、当然ながら内容は超シビアであると予想されます。
行くだけでも難しい場所にあるとか、ルートが極悪すぎるとか、なにかしら完登者不在にふさわしい理由があるわけです。
行ってみて「こんなん登れるか!」となることもありえます。
というわけで、あまり気負わず、紅葉真っ盛りの景色を満喫しながら気軽に山歩き(そこそこハード)を楽しもうという感じで現地に赴きました。
現地に到着。
道なき道を進み、ようやく辿り着きました。
現在、ぼくは初登者となることを目指しているので詳細な場所は伏せさせていただきますが、完登者不在というのも納得できるくらいの悪路の先にそれはありました。
というわけで。
ついに目的のルートとご対面!
第一印象は「いろいろ悪い」。
予想はしていましたがホールドがありません。まともに持てそうなところはかなり少なそうです。
また、ルートの内容とはべつに、壁のコンディションもかなり悪い状態。
だれにも手をつけられずに放置されていたためか、壁は黒く汚れており、ところどころに苔も付着していました。
ボルトは取り付けられていましたが、終了点(ゴールとしてクリップできるボルト)があるかどうかはわかりません。
パッと見たところはこんな感じでしたが、さらにいろいろと詳しく調べていくことにしました。
パートナーと調査開始。
今回はボルボルのお客さんであり、ぼくがもっとも信頼しているクライマーの一人であるTさんに同行してもらいました。
登山・クライミング歴も長く、知識も技術も優れてとても頼りになります。
そんなTさんと相談しながら、現場を詳細に調査していきます。
確認・検討事項とざっと挙げるなら……
・現地までの効率的なアプローチ
・岩壁上部までの歩行の可否
・落石等のリスクの程度と有無
・安全なビレイの可否
・終了点の有無
……などです。
上記の内容に加えて、そもそも登れそうかどうかも考えましたが、「どうやらチャレンジする価値はありそうだ」と判断。
となると、次にやることは……
壁の大掃除です!
事前に掃除方法についての作戦会議を行なったうえで、壁の頂部になんとかたどり着き、上からロープを下ろして、下降しながらクライミングブラシで掃除を開始しました。
ホールド(想定されている持ち手)と思われる箇所をブラシで磨いていくと、徐々に壁の色が変わっていき、やがて保持できそうな岩肌が現れてきました。
なんとか登れる可能性をあげようと、できるかぎり丹念に掃除してきます。
こうした作業にくわえて、地面には落ち葉、石、枝が散乱している状態だったので、これも掃除しました。
長い間だれにも手をつけてもらえていなかったと思しき壁の掃除は、さすがに一筋縄ではいきませんでした。
このままではキリがないと判断し、せっかく現地に来たのだからと残り時間で実際に登れるかチャレンジしてみることにしました。
思ったとおりの極悪さ。
実際に登ってみて痛感しました。
掃除が未完了のために登れない箇所を除いたとしても、ぼくの実力不足ゆえに現時点での攻略はままならないと感じるセクションがたくさんあります。
残された開拓作業にくわえて、クライマーとしてのさらなる精進が求められそうです。
この日の遠征はこれで終了。
いろいろと課題を残した一日となりましたが、それだけに収穫の多い日でした。
今回は物見遊山にやってきましたが、これからは本格的に挑戦者としてこのプロジェクトに向き合いたいと思います。
今後はできるかぎり小川山に通って、このプロジェクト課題の開拓に専念していこうと思います!
ぜひ続報をお待ちください!
最後に、当日にご同行くださったTさんに、この場を借りて改めて感謝いたします!
これからもよろしくお願いします!
というわけで、今回のレポートは以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol