こんにちは。
ボルダリング部顧問の橘です。
前回に引き続き、今回も当ジムが主催する中高生ボルダリング部の顧問として観戦してきた2023年度神奈川カップの模様をお伝えしたいと思います。
中編であるこの記事ではエキスパート決勝の様子をご報告。
激強クライマーたちが織りなすハイレベルな競技の全容を、決勝進出を果たした3名のボルダリング部員たちの活躍を中心にお届けます!
ジュニア女子決勝戦!
決勝戦は女性クライマーたちの闘いから始まりました。
”エキスパート部門”と”エキスパートジュニア”が同時に展開し、それぞれ3課題に挑戦します。
ボル部からは渋谷佳依選手(中1)が出陣!
一番右端で赤いシャツが映えています。
前回もご紹介したとおり、体操とクライミングを両立するフィジカルエリートな女の子です!
決勝はWC方式で行われたので、まずは選手たちがいっせいにオブザベーションに取り組みました。
修学旅行の夜かとみまがうばかりに和気あいあいと課題を分析するその様子は、これから競い合う選手とは思えないほどに平和的。
クライミングコンペの良さの1つですね。
ジュニア女子第1課題
最初はバランシーな垂壁課題でした。
初手取りで軽めのランジを行なったあとは、踏みづらく利かせづらいホールドを使ってじわじわと高度を上げていく内容です。
ここから次の一手が悩ましかったようです。
下から押さえつけたいところですが、いま保持している左右のホールドはかなり悪かったらしく、佳依選手は手を出すのを躊躇っていました。
彼女が足を滑らせたのも無理はありません。
下の画像を見ればわかるように、かなりシビアな斜面を踏んでいることがわかります。
とはいえ、佳依選手はその後この核心を攻略し、決勝を見事に完登で始めることができました!
ジュニア女子第2課題
続いては110°のシンプルな課題。
手数が少ないだけになんだか不気味さがあります。
一見するとダブルダイノに見えなくもないですが、ゾーンの位置からしてその可能性は薄いでしょう。
初手は左手アンダーで耐えてクロス出し。その後もじわりと体勢を整える内容になっています。
そして、最大の核心はゾーン取り後に控えていました。
ここからが悩ましいところでした。
ホールドの向きから察して、勢いよく出てしまって左手を寄せるというイマドキな処理を強いられそうな予感です。
瞬発的なムーブも卒なくこなす佳依選手ですが、どちらかといえばスタティックな選択を好むため、まずはクロスで返せないか試みていました。
ところが、それが難しそうだと判断して、いよいよ意を決して飛び出します。
このムーブはたいへん難しく、何度も落ちて苦戦していました。
そして、時間ギリギリの最終トライで見事に成功!
そのままゴールマッチを果たしました!
ところが!
このブザーと同時のゴール取りは時間切れとの判定。
審判にバッテンされてしまいました……。
ジュニア女子最終課題
最終課題はトリッキーからの真っ向勝負。
癖のあるトラバースパートを乗り越えてからの直上距離だしという内容でした。
さて、その序盤からゾーンまでのトラバースは印象的な内容でした。
なんとコーディネーション系が2連続!
足を切って観音(両手ガス)で耐える1発目と、飛びついてプッシュで耐える2発目です。
そんなセッターさんの遊び心満載パートを攻略したあとは、いよいよ真っ向勝負のゴール取り。
これがとても遠く、それでいて取り先も悪かったため、選手たちはみな大変に苦労していました。
残念ながら、時間いっぱいに挑んだものの、佳依選手はこのゴール取りを成功させることはできませんでした。
決勝進出者5名中、これを成功させたのはわずかに2名。
そのどちらもが5トライ以上かけているので、そのシビアさがよくわかります。
総括と予告
こうして佳依選手の挑戦は終了しました。
最終リザルトは1完登3ゾーンで、総合5位。
昨年は9位で決勝進出を逃していましたから、これは大躍進だったと言えます。
来年にはぜひとも表彰台を狙っていてほしいところです!
さて。
次回はジュニア男子の決勝をお伝えしたいと思います。
ボル部からは2名が出陣。
昨年の強化選手・原輝久選手と、内藤雅琥選手です。
次回もチェックしてみてください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol