ボルダリングコンペを楽しみましょう!

こんにちは! BolBolです!

前回まで2回に渡ってボルダリング都大会の模様をお伝えしてまいりました。


ありがたいことに、これらの記事を多くの方にご覧になっていただいたのですが、その一方で、他のスポーツに比較すると、ボルダリングの大会というのはまだまだ認知されていないことを再認識いたしました。

そこで今回は。

競技としてのボルダリングのルールをご説明いたします。

出場選手でにぎわうコンペ会場(都大会)の様子

ルールを知って、選手たちがどんなふうに競っているのかを知っていただき、より多く方に観戦を楽しみ、参戦を検討するようになっていただきたいと思います!

というわけで、さっそくその全容を見ていきましょう!

順位のつけかた

普段、楽しんでボルダリングをしているかぎりはあまり意識されることはないでしょうが、大会に出場して互いに競い合うとなると、もちろん成績評価の客観的な基準が必要になります。

そこで、選手たちがなにを”ものさし”として競い合っているのかをまずは確認していきましょう!

完登するだけでは勝てない!?

ある意味で、選手たちにとって課題を完登することは大前提です。

コンペで好成績を収めるためには、ただ登れたら良いというものではありません。

選手たちは次のような4種類の数字の優劣によって競い合っています。


順番に見ていきましょう。

基準1:課題の完登数

まずはシンプルに、課題の完登数で競い合います。

コンペでは複数の課題に挑むことが基本ですが、そのうちいくつの課題を完登することができたのかを、選手は最初に問われることになります。

当然ながら、より多くの課題を完登した選手の勝利です。

両手で触れて静止しなければ完登とはみなされません。

しかしながら、ボルダリングコンペは実力が近い選手同士が競い合うようにクラスを分けて開催されますから、完登数だけで優劣が決まることは稀です。

そこで、完登数が同着の場合には、次の評価軸が必要になります。

基準2:完登までのトライ数

完登数が同着の場合、完登までに何回のトライを要したのかで比較します。

当然ながら、より少ないトライ数で登れたほうが優秀とみなされます。

トライ数は「◯撃」という単位で数えられることが多く、選手たちは課題を1撃することを狙って念入りにオブザベを行ないます。

可能であれば競技が始まるまえからオブザベをすることもあります。

ちなみに、「トライ数」は「アテンプト数」とも言います。

tryトライattemptアテンプト は、微妙なニュアンスの違いはありますが、ともに「挑戦」という意味です。

基準3:ゾーンの獲得数

ゾーンとは課題の中継地点のようなものです。

通常はその課題の核心(難所)の先に設定されていて、ここまで到達することでゾーン獲得となります。

「ZONE」とテープで示されたホールドをしっかり保持すれば獲得です。

そこで、完登数でもそのトライ数でも同着の場合は、このゾーン獲得数で競います。

つまり、完登はできなくとも、難しい箇所まではクリアできたことが評価されるのです。

実際、先日の都大会のジュニア女子部門では、優勝者以外0完登でした。

課題が男子と同じだったこともあり、苦戦を強いられました。

したがって、準優勝以下の選手たちの成績は、このゾーン獲得数によって定まったのです。

※補足
「ゾーン」は「ボーナス」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。

基準4:ゾーン獲得のトライ数

ゾーン獲得数でも同着なら、ゾーン獲得までに要したトライ数で比較します。

その要領は完登までのトライ数を競う場合と同様です。

今回の都大会における成年男子の優勝争いは、まさにゾーン獲得のトライ数まで問われる大接戦でした。

ハイレベルな課題で競い合う大接戦でした。

ここまでもつれることは通常とても稀ですし、コンペによってはここまで厳密に比較することはなく、同着の場合はジャンケンなどのカジュアルな方法が採用される場合もあります。

リザルトを見てみましょう!

さて、順位のつけ方がわかったところで、実際にコンペの結果リザルトを見てみましょう。

以下は2020年のBJC(ボルダリングジャパンカップ)の決勝戦のリザルトです。

決勝進出はすなわちワールドカップ日本代表へのチケットを意味する、国内最高峰のコンペです。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=JMlvAnITP2A

これは競技終了後の最終リザルトなので、4課題すべての結果が記録され、その合計値も右端にまとめられています。

まず、表の中央に各課題ごとの成績が並んでいます。

「#1」や「#2」とは課題のことで、それぞれ「第1課題」、「第2課題」を意味します。

赤いボックスの数字は完登までのトライ数。

青いボックスの数字はゾーン獲得までのトライ数です。

その数字が存在していることが、完登やゾーン獲得を意味します。


表の右端には、すべての課題の総合成績がまとまっています。


「T」は「Topトップ」の、「Z」は「Zoneゾーン」の頭文字です。

この結果では、優勝と準優勝は完登数で並んでいるので、ゾーン獲得数が勝敗を分けたことがわかります(3位以下も同様ですね)。

さらに、優勝者でさえ2完登、3位以下は1完登であることから、出題としてはかなりハイレベルであったことが窺えます。


ボル猿くん
ボル猿くん

リザルト表の見方がわかればどんなコンペだったのかがわかるので、ますます興味が湧いてきますね!

コンペの方式

前項では成績評価の方法を学びました。

一方、コンペのルールとしては出場選手たちがどんな方式(スタイル)で課題に挑むのかも重要になります。

ふつうにジムで登るのであれば自由気ままに課題に取り組めばよいのですが、コンペとなるとそうはいきません。

きちんとした条件のもとで、選手はルールに沿ったかたちで課題に挑んでいくことになります。

そんなコンペスタイルをまとめた図がこちらです!


このように、コンペスタイルは「他人の課題を見れるかどうか」によってまずは2種類に大別されます。

そして、それぞれのスタイルのなかでさらに細分化されるのです。

セッション方式

セッション方式は普段のジムでの練習に最も近いスタイルです。

同じエリアを選手全員が歩き回り、用意された課題に自由に取り組みます。

登りたい課題の前で順番待ちをして、自分の番になったら挑戦します。

課題に取り組む順序は定められてないため、得意そうな課題から挑戦することができますし、他人の登っているところを観察することができるため、苦手そうな課題は上手な人を参考にすることができます。

大人数がいっせいに競い合えるため、時間が長く取れないカジュアルなコンペや、コンペの予選で採用されることが多いスタイルです。

こんなふうに目をつけた課題の前で順番待ちをします。

セッション方式は、自由度が高いからこそ最も戦略力が試されるスタイルです。

苦手な課題や簡単な課題を後に取っておこうとすると、ほかの選手も同様の課題を後回しにしているために、最後のほうで混み合って制限時間に間に合わないということも起こります。

順番待ちで泣きを見ないように、タイムマネジメントに気をつける必要があるのです。

ジュニア女子部門は出場者が多く長蛇の列が形成されました。

なお、セッション方式のうち、1課題ごとのトライ数に制限があるものはコンテスト方式と呼ばれます。

一般には、5トライを上限としている場合が多いようです。

ベルトコンベア方式

オンサイト方式の代表的なスタイルの一つです。

用意された課題を、指定された順序で登っていきます。

選手たちが左から右へと次々に流れていくために、ベルトコンベア方式と呼ばれています。

ベルトコンベア方式の図(課題が3つのケース)

こんなふうに、左から入ってきた選手は、課題への挑戦と休憩を交互に行ないながら、右へと流れていきます。

このとき、オンサイト方式、つまりは他人の登りは見てはいけないルールですから、休憩中は課題に対して背中を向けて待機していなければいけません。

一般的に、1課題の制限時間は4〜5分程度と設定されていることが多く、与えられた挑戦時間のなかでオブザベーションも行なう必要があります。

セッション方式とは違い、並んで待つ時間がないため、1つの課題に集中して取り組めるスタイルでもあります。

ワールドカップ方式

公式コンペの決勝などで採用される最も由緒正しいスタイルです。

その名のとおり、オリンピックをはじめとする各種の国際大会で正式に採用されている世界共通のルールとなります。

コンペの決勝で採用されることがふつうです。

BolBolクリスマスコンペの決勝でも採用しました!

これもオンサイト方式の1つですがベルトコンベア方式とは次のような相違点があります。

その1
競技時間とは独立して1課題ごとに2分間のオブザベーションタイムが設定されている。

その2
選手たちは課題が終わるごとにアイソレーションエリアに戻る。


アイソレーションエリアとは、文字通り選手たちを Isolation隔離 しておくためのスペースのことです。

ほかの選手の競技中はここに留まることで、カンニングを防止するというわけです。

通信機器の持ち込みが禁止されるなど、厳格な隔離体制がとられます。

都大会ではコンペウォールの裏手の空き地がアイソエリアに使われていました。

また、ベルコン方式とは違い、挑戦が始まるまえに事前にオブザベを行なうことができます。

ただし、前述のとおり、自由に見れるわけではなく、2分間の制限時間のなかで行なう必要があり、オブザベタイムのあとはふたたびアイソエリアに引っ込む必要があります。

4点支持スタート

コンペでは、4点支持という特殊なスタート方式が採用される場合が多いです。

まずは一般的なジムでよくあるスタート方式について確認しましょう。

多くのジムにおいて、課題の挑戦はスタートホールドを両手で支持するところから始まります。

これがジムでの一般的なスタート方法ですね。

この方式では、使用ホールドとして許可されているホールドであれば、足はどのように置いても自由です。

一方で、4点支持スタートでは、四肢を置く配置が指定されています。

ただし、手足・左右の指定はなく、両手・両脚のうち何本をどのホールドに置けば良いのかが定められています。

少し見えづらいですが、このように合計4本のテープがスタートに貼られており、テープの本数と同じ数だけ四肢のいずれかを接触させなければいけません。

その結果として、かなり特殊な体勢を取らされることにもなったり、置き方に悩むことになったりして、コンペにおける課題攻略の1つのハードルとなるのです。

まとめ

コンペのルールについては以上です。

細かいルールはいろいろとあるのですが、今回ご説明した内容をご理解いただいていれば、観戦するにも参戦するにも困ることはないでしょう。

コンペに出たいとお考えの方は、どんなことを意識して練習すれば良いのかも見えてきたのではないでしょうか?

BolBolでは毎年年末にクリスマスコンペを開催しております。

キッズがメインとなりますが、大人の部を開催したこともありますので、興味のある方はぜひとも当店のInstagramをぜひチェックしてください!
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最後までお読みいただきありがとうございました。

それではみなさん。

ガンバです!

提供:ボルダリングジムBolBol