
こんにちは。
ボルダリング部顧問の橘です。
今回は5月14日に開催されたスポーツクライミング東京選手権大会のボルダリング部門の模様をお伝えしていきたいとと思います。
前回ご報告した神奈川カップに引き続き、本大会にも当ジムが主宰するボルダリング部から4人の中学生クライマーが出場しました。
前編では選手の紹介と予選の結果報告をしていきます!

(提供:東京都山岳連盟)
ジュニア女子
本大会の最初に登場したのは中学2年生までの女の子たち。
昨年同様、当初の募集定員20名に対して、最終的にはその倍の約40人がエントリー。
今年も会場は大混雑となり、待ち時間が長びきトライ数が極端に制限されるという難しい状況となりました。

(提供:東京都山岳連盟)

順番待ちのセンスも大いに問われました。
(提供:東京都山岳連盟)
さて、そんな大混戦にボル部からは3人の中学1年生クライマーが出場。
まずは新入生の岩崎和瑚選手をご紹介します。

4月には神奈川カップにも参戦していた彼女。
その時点ではまだボル部に所属していませんでしたが、本大会からは正式にボル部の一員として参戦してくれました。
混雑するなかでも着実にトライを重ねて、最終的に39人中17位と中堅どころに位置づけることができました。
完登数は2本に留まりましたが、足切りラインが3完登だったので、決勝進出者とそれほど大きな差はなかったと言えます。
これから1年たっぷりと登り込んで、来年は表彰台を狙いにいってほしいところです。

フィジカルをつければ一気に伸びそうです!
(提供:東京都山岳連盟)
続いては新入生2人目、加藤凪紗選手です。

さきほどご紹介した岩崎選手同様、彼女もまた神奈川カップと本大会の両方にエントリーしたやる気満々クライマー。
その熱意ゆえに、大会前日だというのにジムでしこたま練習していた勤勉な選手です。
ところが、本大会ではそのオーバーワークが裏目に出てしまったのか、残念ながら結果は低迷。
とはいえ、練習中に見せてくれる実力は本物なので、コンペ課題への対応力や本番までのコンディション調整の方法をこれから学んで、次回は本来の実力を発揮できるようになってもらいたいと思います。

けれどもこれで挫けるほどヤワな選手ではありません!
(提供:東京都山岳連盟)
最後の1人は公式コンペ初参戦の樋口凜選手。

今回ボル部から出場した選手のなかではボルダリング歴がダントツに浅く、まだ3級を安定して落とすことができません。
まだまだ初心者に近い凛選手にとって本大会はかなりのチャレンジであり、無完登でも経験になればそれで十分なくらいでした。
ところが、最終結果は1完登2ゾーン。
もちろん全体から見ればまだまだ上には上はいる結果ではありますが、現時点での彼女のレベルからすると快挙とも言える大健闘です!
なかでも、普段やることが少ないランジ課題を見事に成功させたのがたいへん感動的でした。

壁から少し離れてタメをつくり、立体的に動こうとしています。


足りない経験を持ち前のファイトで補う姿には大きなポテンシャルを感じました!
勝負強くて向上心旺盛。
今後の成長が大いに楽しみな選手です!
ジュニア男子
さて。
女子に引き続きジュニア男子のご紹介をしたいと思います。
が……

めっちゃ雨です。
ジュニア女子の競技中にはすでに怪しい空模様でしたが、ここにきてついに降り出してしまいました。
雨をしのぐためのテントとひしめきあう傘によって、会場はとっても観戦しづらい状態となりました……。

が、そんなことは選手たちには関係ありません!
待つ時間が少々たいへんそうになりましたが、屋根もあることですし、みな年に1度の大切なコンペに集中していました。
というわけで、ボル部からジュニア男子部門に挑戦したクライマーをご紹介しましょう。
新1年生の出浦清春選手です。

キッズスクール時代からひたむきに取り組んできた真面目な選手で、まだ中学1年生ながらクライミング歴はすでに6年を超えています。
十分な経験と実力に加えて、たいへん優秀な頭脳も持ち合わせている清春選手。
本大会では、クライミング自体のパフォーマンスもさることながら、タイムマネジメントの点でも優れた動きを見せてくれました。
ジュニア女子と同程度の混雑を見て取った清春選手は、序盤から難しい課題を優先的にトライ。
後半は簡単な課題から人がいなくなるであろうことを見越して先手を打っていました。

清春選手は優先的に打ち込み、見事完登しました!
こうした優れた知略もあって順調に完登数を伸ばしていった清春選手。
そして、見事に予選を6位で通過して決勝進出を果たしました!
ちなみに、彼を含めて決勝進出者はみな4完登で横並び。
ゾーン獲得数とトライ数が勝敗をわける大接戦でした。

ランジ課題はあっさり一撃でした。
総括と予告
こうして、ボルダリング部の都大会予選が終了しました。
全員が中学1年生というフレッシュな布陣でしたが、みな懸命に登ってくれました。
女子3人は決勝進出を果たせませんでしたが、そのなかでも岩崎和瑚選手は決勝まであと1完登というところまで迫り、来年への期待を高めてくれました。
また、男子からは出浦清春選手が見事に決勝進出。
都大会で決勝進出者を輩出できたのは当ジムはじまって以来のこと。
BolBolを新しいステージに進めてくれた選手たちの大活躍と日頃の熱意に、この場をお借りして深く感謝いたします!

(凛選手は家族のご都合でさきに帰宅)
さて、改めて今大会のジュニア部門を振り返ってみると、クライミングの実力もさることながら、課題を登っていないときの戦略的な行動が勝敗を分けたように思います。
今回のジュニア部門への出場者は、6課題に対して女子が39名、男子が32名とたいへん多く、しかも去年もほぼ同様の状況だったのです。
というわけで、「大混雑のなかどう動くか」という問題は都大会ジュニア予選の一つのテーマだと言えそうです。
実際、決勝に進んだ清春選手はこの点においてたいへん優れていました。
課題選びの順番もクレバーでしたが、なにより素晴らしかったのは待ち時間の活用法。
彼は簡単な課題に並んでいるときには前方の選手の登りを見ず、かわりに難しい課題をトライする選手たちを観察していました。
そして、完登者が現れると列を抜けてその課題へ直行!
確認したムーブを再現して見事に完登を果たします。
セッション方式の利点をフル活用したすさまじく達者な試合運びを見せてくれました!

そんなインテリジェントな清春選手の決勝での登りは後編でお届けます!
また来週にアップする予定ですので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん!
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol
