外岩クライミングに行きましょう

タクマ
タクマ

こんにちは。BolBolのタクマです。

この記事では外岩クライミングの魅力と基礎知をご紹介します。

タイトルをご覧になってこの記事を開いてくださった方は、今まさに「外岩クライミングに行こうかな?」とお考えになっているのではないかと思います。

そんな方にタイムリーな記事となるよう、外岩歴10年以上のボルダリングジムスタッフであるぼくが、初心者の方にぜひ知っておいていただきたい情報をご提供します。

主にリードをやっております。

前半は外岩クライミングの魅力についてお伝えするので、「行ってみようかな?」を「行ってみよう!」という決心に変えていただければうれしいです。

そのうえで、後半は外岩クライミングの基礎知識をご紹介します。

ということで、すでに「行く」と決意が定まっている方は、途中から読んでいただけるとスムーズです。

それでは、まずは外岩クライミングの魅力をご紹介していきましょう。

外岩の魅力

これを読まれている方のなかには、クライミングジムで登る習慣をお持ちの方も多いと思います。なので、クライミングの基本的な楽しさはすでにご存知でしょう。

しかし、外岩クライミングには、ジムでのクライミングとはまた違った楽しさがあります。


そんな”外岩”ならではの魅力を、まだ未体験のみなさんに向けてご紹介していきます。


タクマ
タクマ

言葉でお伝えするのはなかなか難しいのですが、みなさんの好奇心を少しでも強めることができるようにがんばります。

自然の岩を制する達成感

外岩課題を完登したときの達成感は格別です。

ジムで登られた経験をお持ちの方は、難しい課題に何回も挑んでついに登れたときの興奮をよくご存知かと思います。

とはいえ、ジムの課題というは基本的には「登れるよう設計された課題」です。

どんなに難しい課題であっても、それがジムにセットされた課題であるからには、基本的にはセッターの「おもてなし」が多少なりとも施されています。

ジムのホールドは基本的には「持たせてくれるもの」なのです

一方で、自然の岩は忖度なしです。


人間が登れるように都合よく成形されたわけではなく、「登りたければ勝手にしろ」というぶっきらぼうなスタンスでそこに存在しています。

外岩クライミング
ジム壁とは違い、クライマーでなければただの絶壁にしか見えません。

だからこそ、これを登り切ったときには、「登らせてもらった」ではなく「登ってやった!」という強烈な達成感を得ることができます。


タクマ
タクマ

”自己満足”以外のなにものでもありませんが、この自己満足が最高なんです。

鍛えられた能力の実感

ジム通いの成果が実感できるのも魅力の1つです

ジム内に配置されたホールドたちは、自然の岩場をモチーフにしてつくられたものとはいえ、(とくに最近のものは)その形状や触り心地が自然岩とは大きく異なっています。

なので、ジムの課題を登れただけでは、「壁を登る能力」を手にしたとは胸を張って言いづらいところがあります。

そこそこ厳しいカチですが、自然の岩に比べればまだ素直です。

しかし、ジムで鍛えた能力が決して”まがいもの”ではないということを、外岩クライミングは教えてくれます。

もちろん、初めての挑戦では思うようにはいかないでしょうが、ジムで磨いた保持力や覚えたムーブがきちんと活かされることを体感できるでしょう。

つまり、ジムという限定的な空間のみで発揮されていた能力が、大自然という広大な世界で通用すことを実感できるのです。


タクマ
タクマ

クライミングにはメンタルも大きく影響しますから、外岩で自信を手に入れることによるレベルアップも期待できます。

大自然の解放感

環境もまた魅力の1つです。


クライミングそれ自体の魅力からは少し離れますが、大自然のなかで行なうクライミングは、ジム内という閉鎖空間で行なうものに比べると特別な解放感に満ちています。

ジムの天井を見上げて、ゆらめく緑の隙間から見える青空と、差し込む静かな日光がそこにあることを想像してみてください。外岩クライミングの魅力が、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。

屋外でのクライミングはそれだけで気分が高揚します

外岩クライミングの基本はキャンプの精神

大自然に囲まれながら、クライミングはもちろん、岩場のそばで食事、お昼寝、森林浴と、優雅な時間を満喫することができます。


タクマ
タクマ

本気のトライやトレーニングのためばかりではなく、純粋に自然を楽しみ、癒やされにいくという意味でもオススメです。

仲間との連帯感

仲間と体験を共有できることも魅力的です。


ジムでセッションしているだけでも仲間意識は芽生えるものですが、大自然という非日常空間のなかで行動をともにする経験というのは、こうした親近感を一段と強めてくれます。

とくに、リードクライミングなどの危険が伴うシーンでは、信頼関係も大いに育まれます。

命を預けるからこそ信頼関係が強固になります。

もっとも、そんな小難しい話ではなく、自然のなかで食卓を囲ったり、帰り道にいっしょに温泉に入ったりといった経験は、幼い頃に味わった遠足のような素朴なワクワク感があります。


タクマ
タクマ

基本的には孤独な挑戦になることが多いクライミングだからこそ、仲間の存在は本当にありがたいものです。

外岩クライミングの準備

ここからは基本知識のご説明です。

外岩クライミングに行くことを決心したら、今度は気持ち以外の面でも準備を進めなければなりません。

なんでもそろっているジムとは異なり、自然の岩場では必要なものはすべて自分たちで準備する必要があります。

そのため、持っていくべきものを把握して、それらを忘れずに用意しなければなりません。

「忘れたからちょっと買ってくる」なんてこと無理ので、事前の準備は抜かりなく行なうようにしましょう。


タクマ
タクマ

ここでは岩場への道中(登山)のための準備は大前提として省略します。登山の準備を知りたい方は、以下の記事を参照してください。

準備の基本的な考え方

持っていくべきものを考えるコツがあります。

具体的に準備するものは、ボルダーをやる場合とリードをやる場合で異なりますが、両者ともに共通しているのは、”ジムでお世話になっているアイテム”を持参することです

大自然のなかで「青空クライミングジム」を営業するとしたらなにが必要かと考えましょう。

当たり前の話ですが、岩場にはマットなど敷かれていませんが、ジムでは確実にお世話になっているものです。

こうしたアイテムをしっかりと確認していけば、準備すべきアイテムはおのずと見えてきます。

普段何気なく通っているジム内を改めて観察しておくと良いでしょう。

準備リスト

実際に準備するべきアイテムを一覧しておきます

これ以外にもいろいろと持参するクライマーもいますが、基本的には道中での消耗を防ぐため荷物は最小限にすることを心がけてください。


共通の準備
  • クライミングシューズ
  • チョーク(チョークバッグ)
  • ブルーシート・ランチョンマット
    (休憩スペース確保用の敷物)
  • トポ(課題確認用)


ボルダリングの準備
  • ボルダリングマット
    (用意できるならサブマットも)
  • ブラシ
タクマ
タクマ

登り終わったあとのブラシがけは岩場のマナーですから、フリクションの維持のためだけではなく、マナーを守るためにもブラシの持参が必要です。



リードの準備
  • ロープ
  • ディバイス
  • ヌンチャク/クイックドロー
    (ルートごとに必要な数を用意)
  • 環付カラビナ
  • カラビナ
  • スリング
タクマ
タクマ

リード初心者の場合は、各種のリード用器具の機能をしっかりと理解しておくことも必要にあります。これらの名前を見て器具が思い浮かばないようなら要注意です。




以上が基本的な準備リストとなります。

リードはこんな感じです。アイテムの名称と機能はちゃんと理解できていますか?


なお、実際には上記のアイテムにくわえて目的地までの往復(登山)の準備が必要になります。

そちらについては、前述のとおりこちらを参考にしてください。

登山の魅力とその心得
タクマこんにちは。BolBolのタクマです外岩クライミングに魅了されて以来、文明社会と大自然を行ったり来たりする生活を十数年続けてきました。大自然の素晴らしさはもちろんのこと、その恐ろしさも存分に味わってきたつもりです。それなりのベテランと...

行動計画

続いて、岩場への往復と現地での行動についてご説明します。

必要な道具をそろえると同時に、当日のスケジューリングをしっかりと把握しておきましょう。

目的地の設定

当たり前のことですが、まずは目的地から決定していくことにしましょう。

はじめての外岩クライミングでは、普段のジムグレードよりは数段階実力が落ちることを想定し、簡単な課題が充実しており、一般的に登りやすい岩質の場所を選択するのが良いでしょう。


具体的な”初心者におすすめのスポット”としては以下の場所を挙げることができます。


ボルダリング

・湯河原幕山(神奈川県)

・御岳(東京都)



リードクライミング

・湯河原幕山(神奈川県)

・天王岩(東京都)

・広沢寺(神奈川県)

タクマ
タクマ

ここでは首都圏エリアのみをご紹介しましたが、これらが遠すぎるという方は、ほかの場所を経験者に尋ねてみてください。

時間配分の計画

現地での滞在時間から逆算します

季節によって日照時間や気温変化のリズムなどが異なるので、それらを考慮したうえで、「いつからいつまで岩場に滞在したいのか」を考えるようにしましょう。

目的地までの交通状況などを把握していくことも大切ですし、登山ルートの険しさを考慮しておくことも重要になります。

場合によっては、日の出前の出発や前日からの宿泊が必要になる場合もあるでしょう。

いずれにせよ、暗くなる前に下山できるようにすることが重要です。

場合によっては野宿することもあります。
タクマ
タクマ

複数人で行動する場合は、もっとも体力の少ない人のペースに合わせることを意識しましょう。

現地での行動

岩場についてからの基本的な行動は次のとおりです。

ボルダリング

自分の登るラインをトポで確認し、落ちるポイントに合わせてマットを敷く。知らないクライマーといっしょに登るときはお互いに譲り合い、マットなどの道具をお借りするときは一言声をかけましょう。



リードクライミング

自然の岩壁にはボルトしかなく、そこにヌンチャク(クイックドロー)がかけられていないので、これを設置していく作業から行います。自分で行なうことが難しいと判断される場合は、実力のある同行者にお願いしましょう。実際に登る際の準備は、ジムでのリードクライミングと原則的には同じです。


タクマ
タクマ

初心者ばかりだと要領がわからないことも多いと思うので、できるだけ経験者に同行してもらうのがオススメです。

岩場を想定したジム通い

岩場にいくための肉体的・技術的な準備の話を最後にしておきましょう。

日頃からジム通いの習慣を持っていれば、基本的なクライミング能力はあると思いますが、やはり外岩とジム課題では異なる点も多いものです。

そこで、目標とする課題があるなら、その課題に必要となる能力を重点的に強化しておきましょう。

たとえば、ほとんどの課題において、外岩では指先の保持力や繊細な足場でのフットワークが不可欠になってきますから、はじめて岩場を訪れる方は、とにかく小さめのホールドが使われた課題で十分に練習しておくことをオススメします。

タクマ
タクマ

ジムスタッフはたいてい外岩経験者ですから、練習に適した課題を尋ねるのも良いでしょう。

いっしょに行きませんか?

ボルダリングジムBolBolでは、希望者を募ってみんなで岩場に出かけています

クライミング歴の浅い方や、外岩クライミングをやったことのない方たちとも、何回もご一緒してきました。

外岩クライミングをやってみたいと思っていただけた方は、ぜひ当店にお越しください

タクマ
タクマ

経験者として、基礎からしっかりとレクチャーさせていただきます!



もちろん、まだ悩んでいる方や、外岩のために必要な練習がしたい方も大歓迎です。


当店には外岩での保持力強化に便利なムーンボードもありますし、外岩に頻繁に足を運んでいるスタッフがいますから、事前練習を十分に積んでいくことができます。

ダイナミックにムーンボードをするクライマー
当店のムーンボード。外岩対策の定番です。
タクマ
タクマ

BolBolでお待ちしています。ぜひ一度足を運んでみてください!


提供:ボルダリングジムBolBol