会話でわかる! ボルダリング用語(初級編)

こんにちは! BolBolです!

この記事ではボルダリングをするうえで知っておきたい基本用語をご説明します!

なにか新しいことを始めるいうのは、いわば異文化に飛び込んでいくようなもの。
言葉を知らないと文化に馴染めず、会話にも入れず、疎外感をおぼえがちです。

だからこそ、よく使われる言葉を理解しておくことで、”ボルダリング”という文化に一気に親しむことができます

というわけで。

知っておきたい基本用語を例文つきでご紹介します!



なおここでは”ムーブ”についての説明は省きますので、これについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

基本中の基本編

まずはジムに行った初日から出会うような言葉を見ていきます。


すでにご存知な言葉も多いでしょうが、これから基本用語を学んでいくうえでの前提知識となるので、しっかり確認していきましょう!

ホールド

壁についているさまざまな形状・大きさの突起物

ボルダリングとは、ホールドを使って壁を登るシンプルなスポーツ。

そばに貼ってあるのはコースを区別するためのテープ。

「手で保持する」を意味する英単語”Hold(ホールド)”が語源だが、手だけではなく、足で踏むためにも使われる。


手では掴めそうになく、足で踏むためだけに設置されていると思われるホールドのことは、とくに”フットホールド”と呼ばれる。


例文

あの小さいやつはフットホールドですよね?

いいえ、持てますよ

課題

スタートからゴールまでの一連のホールドの並び(ルート)のこと。

「1本、2本……」と数える。
課題をクリアすることを「落とす」と表現する。
課題の提供に積極的なジムでは、常設の課題だけではなく、月ごとに設定されるマンスリー課題がある。


例文

今月のマンスリー課題はやりましたか?

はい、初日に全部落としました

グレード

課題の難易度のこと

7級、6級……と数値が小さくなっていくにつれて難しくなり、1級を超えると”段”になる。

判定は感覚的に行なわれるため、同じグレードでも実際の難易度には課題ごと・ジムごとに多少のばらつきがある。とはいえ、どんなジムでも3級をコンスタントに登れるようになれば、確実に中級者以上だと胸を張れる。

BolBolのグレード表。テープの色で難易度を示しています。

例文

あれ、今日は3級を登っているんですね?

ええ、まだウォーミングアップですから。

ムーブ

登るための身のこなし(身体の使い方)のこと

ボルダリングには、基本スキルとして名付けれられたいくつかの典型的なムーブが存在する。そうした基本ムーブを習得し、その精度を上げ、的確な使いどころで実行できるようにしていくことが、ボルダリング上達の基本的な姿勢となる。

つま先でひっかけて安定を図る基本的な足技 ”トゥフック”


例文

すごく上手ですね。苦手なムーブってあるんですか?

他人との会話ですかね。

でしょうね。

ムーブじゃないしそれ。

オブザベ(オブザベーション)

登り始めるまえに課題を下見すること

「観察」を意味する”observation”に由来する。

登っている最中に忘れてしまわないようルートを記憶することはもちろんのこと、ホールドの形状や全体の配置を見て、的確なムーブや保持の仕方を見極めることが目的。

実際に手を動かしながら登り方を想像する

例文

すみません、今朝は道が混んでいて遅れました。

オブザベ不足ですね。

ガンバ!(かけ声)

登っている人を応援するときによく使われる言葉

おそらく語源は「頑張れ」だが、なぜか「れ」が脱落している。

ボルダリングジムには、頑張っている人を面識の有無にかかわらず応援する文化があるので、慣れないうちは少し戸惑ってしまうこともあるが、やがてはその温かさが支えになる。


例文

最近伸び悩んでで……。だれか慰めてくれないかなあ、なんて 笑

ガンバ!

ホールド編

続いてホールドの種類を表現する用語を確認しておきましょう。


ホールドの種類を知ることで、ホールドの見方がわかってきますから、オブザベの上達にもつながってきます。

ガバ

簡単に持つことができるホールドのこと。

「ガバっと持てる」から”ガバ”と呼ぶ。

典型的な”ガバ”。

簡単に持てるかどうかは個人の力量に依存するため、どんなホールドを「ガバ」と呼ぶかでその人の実力がわかる


例文

あのすごく持ちづらそうなホールドはなんという種類ですか?

あれはガバです。

カチ

第一関節くらいまでしか引っかからない薄いホールド

かなり厳しいカチ(当店の2級課題で登場)

これも主観的に判断されるため、「カチ」と呼ぶかどうかはその人の実力次第


例文

あれはカチですか?

いいえ、ガバです

ポケット

指を突っ込むようにして保持するホールド

使用できる指の本数が制限されるため、関節への負担が大きく、指が未熟なうちは怪我に要注意。

指2本入れるのがやっと。

例文

あのポケット、指2本しか入りませんよ!

中指1本入れば十分です。

スローパー

曲線的で掴みどころのないホールド

「持つ」というよりは「押さえ込む」ような扱い方が必要になる。

典型的な”スローパー”。

例文

あのスローパー、つるつるしてて全然持てませんよ!

さわれるなら持てる。

ピンチ

文字どおり掴む(ピンチする)ホールド

あるいは、そうした持ち方自体のことを指す。

がしっと掴んで保持。

例文

ぼくは握力が弱いからピンチって苦手です。

それは大ピンチですね

・・・・・・

アンダー

下から持ち上げるようにして保持するホールド

あるいは、そうした持ち方自体のこと。

一般には、立ち上がって重心を高くした状態のほうが保持しやすい。

見た目からして明らかに”アンダー”な場合もあれば、「”アンダー”で持つことも可能」程度のホールドもある。

いかにも”アンダー”である場合(アンダーでしか持てそうにない場合)
ピンチもできるホールドを”アンダー”で持つケース

というわけで、「”アンダー”というホールドの種類が存在する」と認識するよりは、「”アンダー”として持つことが有効な場合がある」くらいに考えておくと良い


例文

あのホールドはアンダー気味に持ったほうが良さそうですね!

それは案だーアンダー

さっきからどうしちゃったんですか?

ダジャレばっかり言って。

ボテ(英:volume)

壁から張り出した比較的大きめなホールド

「ハリボテ」が語源だそう。

こんなアクロバットな扱い方ができてしまうのがボテの魅力。

例文

ボテって派手だからインスタ映えしますよね!

SNSやってないんで知りません

カンテ

壁の端っこのこと

ホールドとは言えないかもしれないが、この部分を使って登ることが必要な課題も存在するため、ホールドの一種として認識しておくとよい。ただし、カンテの使用が禁止される場合もあるので要注意

初心者のうちは壁の側面(カンテ)の利用可能性を忘れがち

例文

この課題、ホールドが少なすぎて登れないよ!

カンテを使えばいいんだけど、自分で気づけるまで黙ってよう……

壁やルートの種類編

ここまではホールドの種類について見てきましたが、それらのホールドがどんな壁にどんな配置でついているのかも、ボルダリングを理解するうえではとても大切です。

それぞれの壁やルートの名前を、それらの特徴といっしょにしっかりと押さえていきましょう!

垂壁

床に対して垂直に立っている壁のこと

一般的な建築物を構成しているのはほとんどこの種類の壁なので、ある意味で日常的に見慣れているタイプ。

BolBolの垂壁。

腕力はあまり必要とされないので、初心者でもとっつきやすい。ただし、パワーを要求されることが少ないぶん、グレードが上がってくると高度なバランスや柔軟性が要求されるので、油断大敵。


例文

そういえば、あんまり垂壁を登っているところを見ませんね?

垂壁は街中どこでも練習できるので、わざわざジムではやらないです。

人んのぼっちゃダメですよ?

スラブ

垂壁より奥に傾斜している壁のこと

つまり、傾斜が90度未満の壁。

垂壁以上にバランス感覚を要求される課題が多く、場合によってはノーハンド(手を使わない状態)で立つことを要求される。

腕力よりも高度なバランス感覚が要求される

例文

腕が疲れてきたんで、そろそろスラブでもしましょうか!

スラブなら手はまったく使いませんからね。

いや、使うよ。

ずっとノーハンドでいけるってこと?

強傾斜

オーバーハングしているような壁のこと。

具体的な角度の定義はないが、だいたい130°前後を目安に強傾斜と呼ばれるようになる。

初心者のうちは地獄のように辛いが、できるようになると一気にクライマー感が出てくるし、基本的な筋力の向上によって成果が出やすいので、打ち込み甲斐がある。

最初はきついけれど、登れるようになるとクセになります。

例文

強傾斜って辛くてついつい敬遠しちゃうんですけど、どうしたらいいですかね 笑

”甘え”を捨てましょう

トラバース

横移動をするような箇所、あるいは横移動それ自体のこと

鬼門・難所になりやすい箇所なので、入念なオブザベが必要。


例文

あそこのトラバース部分ってどうやったら良いんでしょう?

選択肢はいくつかありますが基本的には”クロス”か”飛ばし”で処理すると良いでしょうね。というのも”マッチ”するにはホールドが小さすぎます。個人的にはクロスを選択したいところですがホールドの向きが若干怪しいしけっこう深くなりそうだからどうかなって感じですがだからこそ飛ばしたところでパツパツになっちゃいそうなのでやっぱりクロスかなぁっと思ったけれどいっそダイナミックに飛ばしちゃうってのもアリといえばアーー

やっぱ自分で考えます。

すいませんでした




彼女の説明が意味不明だった方はこちらの記事もどうぞ

その他の基本用語編

最後に、これまでのどこにも分類されない頻出ワードを見ていきましょう。


もしかすると、ここで紹介する用語が一番よく使うことになるかもしれないので、要チェックです!

核心

その課題における難所のこと。

形状や特徴を示す言葉ではなく、その課題におけるホールドの機能を示す言葉。

スタートを切ることが最大の難関になっている場合は”スタート核心”、ゴールに触れることはできるものの両手で保持することが難しい場合は”ゴールマッチ核心”などと言われることもある。

飛び出してスタートする課題は初手取りが核心になりやすい

例文

いやあ〜、この課題はスタート核心ですよね!?

それ核心ならあと全部核心ですよ

バラシ

課題の途中から挑戦すること。

途中までは課題を無視して登っていき、練習したい箇所にたどり着いたら指定されたホールドを使って登り始める。核心取りなど、自分にとって難しいポイントのみを重点的に練習したいときに行なう。


例文

ん〜、いったんバラシで練習しようかな……

どこができないんですか?

スタートから全部です。

じゃあふつうにやればいいのでは?

1手ずつ進めていきましょう。

一撃(オンサイト)

初見の課題を初回トライで登ること

そのような最初の挑戦をオンサイトトライという。

クライミングの技術はもちろんのこと、課題を的確に分析して最適なムーブを見極めるオブザベ力も必要になる。

一撃を狙うときは入念なオブザベが必要

例文

1級を一撃なんてすごいじゃないですか!

いえ、頭のなかで2回落ちてます。まだまだですね。

意識たけぇ……

ヨレる

疲れていること。

「疲れている」とは言わず、なぜかボルダリングではこう表現する。たぶん、「疲れる → ヨレヨレな動きになる」という語源なのだろうと思われる。

例文

いやぁ、ヨレちゃって登れないです(笑)

普段と変わりませんよ?

パキる

指に発生する急性腱鞘炎。

疲労の蓄積や、指への過度な負担を原因として、指を曲げるための腱を収めている器官(腱鞘)に炎症が発生してしまい、指がつかいものにならなくなる。クライマーとしては絶対に避けたい怪我の1つなので、日頃から入念なストレッチやクールダウンをして予防に努めたい。とくに、指に違和感や痛みをおぼえるときは要注意である。

例文

ああ〜、なんか指が曲げづらいなあ。パキる前兆だったりして 笑

笑いごとじゃないですよ。危ないときは休んでください。

あ、はい、そうですね。

(こういうときはやさしいんだ……)

パンプ(パンプアップ)

疲労物質がたまって筋肉が膨れ上がる現象

ボルダリングではとくに前腕がパンプしやすい。

筋トレ好きにとっては努力の成果として歓迎されるが、一度パンプしてしまった筋肉はしばらくの間は本来の力を発揮できないため、たくさん登りたいクライマーにとっては喜ばしくない。

軽めのぶら下がりは疲労緩和に有効

例文

あれ、けっこうパンプしてるじゃないですか?

これが私の通常時の前腕ですが

キャンパ(キャンパシング)

足を使わずに腕だけで登ること

場面によっては、あえて腕だけで身体を支えることも必要になる。

筋力トレーニングとしてあえてキャンパで登ることもあるが、本来、ボルダリングでは可能なかぎり足で身体を支えて登ることが重要なので、特別な目的がないかぎりは避けたほうが良い。


例文

5級くらいならキャンパでいけちゃうんじゃないですか?

腕も使わずにいけますよ。

空飛べるってこと

ドラゴンボール?

セッション

複数人でいっしょに登ること

基本的には個人スポーツであるボルダリングだが、みんなで課題に取り組むことも盛んに行なわれている。

「三人寄れば文殊の知恵」の言葉どおり、一人では思いつきづらいムーブが発見できたり、競争心を刺激されて普段以上の成果が出たりと、さまざまなセッション効果を得ることができる。


例文

ぼくとセッションしてください!

私とセッションしたいだなんて、そんなことを言ったのはあなたが初めてですよ?

え? それって……

ずっと一人で登ってきました。

だから、そんなふうに誘ってもらえて、とても嬉しいです。

じゃ、じゃあぜひ……

だが断る

うーん!!!!


提供:ボルダリングジムBolBol