【小学生対象】ボルダリングキッズスクールの様子⑥

今回は木曜日17:45からのレッスンをご紹介します。

この日は春の不安定な天候で体調を崩したのか欠席者が多く、男の子3人だけのレッスンとなりました。

体調不良もなく元気に登校してきてくれたのはこの3人です!

6年生のソウスケ君と、4年生のハルト君!
5年生のハルキ君。

レッスンは1コマ90分で行なわれ、各コマで在籍人数が異なります。

それにくわえて振替や欠席による出入りがあって、人数は変動します。

大人数のときは盛り上がったムードでどんどん登ってもらいますが、この日は少人数のため、細かいところまで見ていけそうです。



まずはウォーミングアップ。

事前に準備体操を終えたあとは、ジムの壁を全面、贅沢に使ってトラバース(横移動)を行ないます。

ほかのお客様がいないときにだけ行なう、スクール生たちには人気のウォーミングアップメニューです。



壁の傾斜が変わる境界は難所になっていますが、これをスムーズに攻略しているのはハルト君。

この日の3人はみんなベテラン!

頼もしい登りを見せてくれます。



大人でも苦労する強傾斜をスイスイ進んでいるのはハルキ君。

入会してからどんどん上手になりました。

登れるようになるにつれて子どもたちはどんどん自信をつけていってくれるので、見守っていて楽しいです!


ウォーミングアップの最後は懸垂。

最初のうちは足をつけても苦戦しますが、上達するにつれて身体能力も上がり、足を離して大人顔負けの見事な牽引力を見せてくれるようになります!


ここまで終えたらいったん休憩です。


座ってまったり笑顔のソウスケ君。
ムードメーカーでいつもみんなを笑わせてくれます。

ここで3人から練習メニューのリクエスト。

「ランジ」という壁のなかでジャンプするムーブを練習したいということなので、やってもらうことにしました。

レッスンではスクール生のリクエストに応えるようにしています。

「やってみたい」、「できるようになりたい」という自発的な挑戦意欲が、上達のためにはとても重要であると考えているからです。


タメをつくって……


思い切り飛び出します!


壁に引きつける背中の筋力と、しっかりと足場を蹴る脚力。

それらの瞬発力と適切なタイミングが要求されるハイレベルなムーブ(動作)です。


狙いを定めて沈み込み……
思い切り飛びつきます!

壁の傾斜や使用するホールド(持ち手)を変えて、いろいろなタイプのランジをします。

このムーブにかぎらず、ボルダリングではさまざまな姿勢で力を発揮することが要求され、やっているうちに多彩な身体動作が身についていきます。

応用力のある全般的な運動能力を鍛えるにはうってつけの競技です。



自分たちから望んで行なう練習は、こちらからとくに指示しなくてもどんどん挑戦してくれます。

こういうときはこちらからはあまり口うるさく指導しません。

楽しみながら自然に体が覚えていく、理想的なかたちです。




ここからはいつもの練習メニュー。

レベル別に用意した課題に挑んでもらいます。


課題の記されたトポ(壁の地図)

当スクールのレッスンは実践型で、個々の動作を指導するのではなく、課題にチャレンジするなかで必要になる考え方や技術を適宜アドバイスします。

このスタイルは効率がよく、上達のための姿勢や能力を総合的に伸ばすことができると考えています。


スラブと呼ばれる壁に挑むハルキ君。

スラブとは傾斜が90°未満の壁のことで、腕で引くようなパワーよりは、器械体操の平均台のようなバランス感覚が要求されます。


登る前にはオブザベーション。

課題を入念に観察し、登り方をイメージします。

想像力と思考力が問われる、クライマーにとってとても大切な準備作業です。


観察が済んだら実際にトライ!

難易度の高い課題になると、想像したとおりに登れることは熟練者でも難しく、実際に登ってみて現場で対応することも必要になります。


高い足場への乗り込み!
柔軟性が求められます。

細かい足場に器用に乗れています。

力強い正対ムーブ。
バランスの良い姿勢が感覚で身についてきています。

見事に一撃で完登!

登れた課題には自分の名前を記入。

クリアした課題をわかりやすくする作業ですが、完登者の人数が明らかになることで課題の難易度の目安になったり、「あの人が登れたら自分だって」と挑戦意欲をかきたてるような効果もあります。


こちらはコーチと相談中。

当スクールは生徒主導を心がけています。

コーチはあくまで相談役で、適宜アドバイスを送ります。

まずは自分で考えて挑戦してもらう、という姿勢が大切です。


さきほど見事な完登を見せたハルト君。

今度は、先輩のハルキ君と2人で同じ課題に挑戦しはじめました。

複数人で同じ壁に挑むことをセッション”といいます。

このセッションは上達するうえでたいへん有効!

「3人よれば文殊の知恵」の諺どおり(ここでは2人ですが)、知恵を出し合い、お互いの登りを観察し合えることで練習効率が上がります。

スクール中はこのようなセッションが自然と発生し、いっしょに問題解決を目指すコミュニケーションも盛んに行なわれます。


見事に完登してコーチとグータッチ!

達成感に満ちた素敵な笑顔です。

この充実感が、さらなる上達の原動力となります!


そして、後輩の登りを見て、負けじと最上級生のソウスケ君も同じ課題に挑み始めました。

惜しいところでフォール。

しかし、クライミングは「落ちて上達する競技」です。

大切なのは失敗から学ぶこと。

トライ&エラーの大切さを、スクールでは繰り返し強調しています。


ふたたびトライするソウスケ君。

彼は翌日には小学校を卒業し、中学生となります。

進学後は当ジムが主宰するボルダリング部に所属し、選手活動を続けてくれる予定です。

引き続いての成長が期待されます!


別の課題に挑んでいたハルキ君も、数回のトライの末にようやく核心部(課題の最難所)を突破。

上達する生徒は簡単には諦めませんし、逆に、通い続けているうちに諦めないタフなメンタルが身についていきます。

ぼくたちもそのように声をかけますし、なにより、いっしょに挑戦している先輩たちが、落ちても繰り返しポジティブに課題に登る姿勢を見せてくれるからです。

一番大切なことは子ども同士が教え合ってくれている、というところもあり、それがスクールに通いみんなで集まって練習する意義でもあります。


レッスン終盤、最後まで頑張るハルト君。
かなり持ちにくいホールドをしっかり保持しています!

この日はこんな感じにレッスンを終えました。

少人数でしたが、3人ともそれぞれが一生懸命な登りを見せてくれたので、楽しく盛り上がることができました。

実力も着実に上がってきていて始めたころとは比べものにならないくらい上手です。

楽しみながら継続することがとても大事なんだなと改めて感じました。



というわけで、今回のレポートは以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それではみなさん。

ガンバです!


提供:ボルダリングジムBolBol