ボルダリングの練習方法【初級編】

こんにちは! BolBolです!

突然ですが 。

ボルダリングってちょっと心細いと感じたことはありませんか?

マイペースに取り組めるのがボルダリングの魅力ですが、壁だけ与えられて「ご自由にどうぞ」と言われても、なにをどうやって練習していけば良いのか、とくに初心者のうちはわからなくなることも多いと思います。

各自で自由に登るのがジムの基本的な利用方法です。

そこで今回は、練習方法についてご紹介していきたいと思います。

これらの内容をしっかり守っていただければ、5級を難なく登れるくらいの実力を獲得できます!

小学生から大人の方まで、合わせて述べ100人以上を指導してきた当店が自信を持ってお届けする練習プランを、ぜひ最後まで確認してみてください。

最初に1つ注意点

これからご説明する練習内容のほとんどは、初心者はもちろんのこと、中級者以上になっても通用する方法であると自負しています。

にもかかわらず、級クライマーになることを目標として設定したのには理由があります。

それは、4級以上になると、今回ご説明する練習方法だけ・・では通用しなくなってくる可能性があるからです。

4級になると、課題も一気に高度になります。

今回ご紹介する内容は、クライマーとしての基礎的な能力を磨いていくものが中心となりますが、より高レベルな課題を登ろうとするときには、より専門的な技術や考え方も習得していかなくてはなりません。

そこで、もしもあなたが技術の高度な理解・習得を求めるなら、以下の記事がオススメです!


前置きが長くなってしまいましたが、今度こそ本当に練習方法の解説をしていきます!

5つの練習大原則

具体的な練習メニューをご紹介するまえに、そうした練習の根底にある考え方からご紹介します。

その1:”成果”の認識を変える

一般に初心者の成長はタケノコくらい速いので、毎回ジムに行くたびに新しい課題をクリアするという急速な上達を見せる方も珍しくありません。

それゆえに「今日は新しい課題を◯本も攻略したぞ!」と、その日の完登数で自分の成長を把握しようとしてしまいます。

つまり、「完登=上達」という図式ができあがってしまい、「完登できなかったから失敗だし、上達もしていない」と考えてしまいがちなのです。

ボルダリング壁から落下するクライマー
落ちてしまうと、ときには悲しい気持ちになりますが……

しかしながら 。

こうした極端な成果主義は危険です!

というより、”成果”の認識を改める必要があります。

完登だけが成果ではありません。

前回より1手でも先に進めたら成果!

ですし、さらに言えば。

課題に挑戦したこと自体が成果!

です!

クライマーとしての基礎能力の向上は、何度も繰り返し失敗するような課題に挑んでいるときにこそ生じます。

つまり、「登れなかった課題」こそが「自分を鍛えてくれる課題」なのです。

1日程度では登れない課題に打ち込んでいるほうが、トレーニングとしては得るものが大きいことになります。

なので、完登にこだわりすぎず、登れない課題にも気長に挑戦し続けることが大切です。

落ちることを嫌っていては成長は望めません!

その2:ハマりすぎない

登れない課題こそが成長をもたらすとお伝えしました。

が、その一方でいつまでも同じ課題に挑み続けているのはあまり得策とは言えません

というのも、「壁を登る」というシンプルなスポーツにもかかわらず、ボルダリングに用いられる能力はじつに多種多様だからです。

傾斜の強弱で身体の使い方は大きく変わりますし、課題を構成するホールドたちの形状と配置により、それらの攻略する方法には無数のバリエーションが生まれます。

同じ5級でも、求められる能力はさまざまです。

したがって、挑戦する課題が偏ってしまうと、成長にも偏りが生じてしまいます

登れない課題があると悔しくて、ついついずっと挑み続けたくなるかもしれませんが、そこをぐっと我慢していろいろな課題に取り組むことも必要です。

その3:技術のど忘れを防ぐ

すでに登れた課題の反復練習も大切になってきます。

すでにお話したとおり、ボルダリングに求められる能力や技術は多岐に渡り、課題ごとに必要となる技能はさまざまです。そこで、やや極端な言い方になりますが、特定のタイプの課題でしか鍛えられない能力というものが存在します。

なので、クリアした課題を放置していたら、その課題を登るために必要な能力が衰退してしまう、ということが起こり得るのです。

とりわけスラブは求められる能力が特殊です

ところで、復習が億劫になる理由として「一度できたことで失敗するのはイヤだ」という心理を挙げることができます。

しかしながら、「失敗したくない」というプレッシャーがあるからこそ良い練習になるのです。

くわえて、ちょっと厳しいことを言わせていただくなら、そもそも「次は失敗してしまうかも」という不安を感じるうちは、その課題を完全に攻略したとは言えないのです!

自販機でジュースを買って来るくらいの感覚で登れるようになってはじめて、その課題をものにしたと考えるようにしてみましょう!

楽勝で登るにはどうすればよいか考えながら復習します

その4:強傾斜を活用する

強傾斜は初心者卒業の近道です!

もともと運動経験が少なかった方はもちろんのこと、たとえスポーツに打ち込んだことのある方であっても、初心者のうちは「壁を登る」という行為に必要な筋力が圧倒的に不足しています。

だからこそ、初心者のうちは筋力アップが実力向上に直結します。

そこで、筋力強化の最適解が強傾斜です!

辛いということはそれだけトレーニングになるのです!

また、鍛えられるのは筋力だけではありません

このように大きく傾斜した壁では、バランスの悪い手足の配置をしてしまうと、回転力が作用して壁から引き剥がされてしまいます。

まずいフォームだと、すぐに落とされてしまいます。

こうした事態を防ぐために、身体のバランスを考えることが要求され、美しく合理的な登攀フォームが身についていくのです。

なお、具体的にどんなフォームが合理的なのかについては、以下の記事をご覧ください。

その5:初心者は質より量!

初心者はなにより「慣れること」が大事です。

体力や技術の向上も大切ですが、初心者のうちは単純な「慣れ」によっても飛躍的に上達します。

そこで、たくさん登るためには、ジムに通う頻度を増やしたり、ジムでの滞在時間を長くしたりする、という方法が考えられます。

しかし、仕事や勉強の都合もあって、練習時間の総量を増やすことはなかなか難しいでしょう。

そこで、同じ練習時間のなかでより多くの課題に触れることを意識されると良いでしょう。

そのためには、一発で疲れてしまう課題よりは、何回でも挑戦できるレベルが効率的です。

7級で良いので、どんどん連続で落としていきましょう!

こうした高密度の練習方法だと有酸素運動の効果も期待できますので、フィットネスとしてボルダリングに取り組みたい方はぜひ取り入れてください。

初心者を卒業する頃には、ランニング感覚で次々と壁を登っていけるようになっているはずですよ!

具体的な練習メニュー

これまでは練習の心構えのような抽象的・精神的な内容をお伝えしてきました。

それを踏まえて、ここからは実践的・具体的な練習方法をお伝えしていきます。

アップを兼ねた反復練習

いきなり難しい課題に挑むと怪我のリスクが高まりますし、そうでなくても力を発揮しづらく、練習効果を得づらい傾向にあります。

だからこそ、すでにクリアした課題に取り組むところから練習を始めて、”ウォーミングアップ”と”課題の復習”を同時に実現してみましょう

まずは簡単な課題を丁寧に登ります。

具体的には5〜10本程度、ご自分の体力と相談しつつ登ってみましょう。

このとき、要求されるムーブが異なる課題を選ぶと、復習としては効率的です。

また、登れる課題の範囲のなかでも、少しずつ難易度を上げていくと良いでしょう。

復習には、成功のイメージを定着させ、気持ちを上げる効果もあります。

「前回までの練習成果がしっかり定着している」と確認できたところで、次のステップに移りましょう!



アップ段階でミスしたら

簡単にできるはずの課題で落ちるのは、上級者にだってよくあることです。なので、数回の失敗の末に登れるようであれば問題ありません。

しかし、ちっとも成功する気配がないか、成功しても余裕がないなら、その日は調子が優れないのかもしれません。

そういう場合は、練習の強度をしっかりと下げるか、安全のためにその日は練習を諦めることをオススメします。

無理な練習はときとして練習しない場合よりも実力や体調を損ねてしまう危険があることを忘れないでください。

限界への挑戦

身体が十分に温まり、気持ちも上がってきたところで、まだ登れていない課題に挑戦していきます。

つまり、自分の限界挑むトレーニングです。

ダイナミックにムーンボードをするクライマー

このとき、練習を効率化するポイントがあります。

1本の課題に費やす回数や時間を決めること。

そして、数本の異なる課題に挑むことです。

「どうしても落としたい課題がある!」という場合には、ずっとそれを打っていても構いませんが、すでにお伝えしたように、初心者のうちはいろいろな課題に触れるほうが上達しやすいので、1つに絞るよりは効率的な練習が可能になります。

時間や回数を制限したほうが、練習に締まりも生まれます。

さらに、もう1つのポイントとして。

傾斜のキツいものから優先して取り組みましょう

とくに初心者のうちはただでさえ体力的に未熟ですから、バテた状態で傾斜に挑んでも十分な練習を行なうことができません。「疲れているから今日は傾斜は控えよう」という日を除いて、傾斜に挑むのであれば練習の早い段階にしておくことをオススメします。

傾斜は疲れるので敬遠しがちですが、やるならお早めに!


”宿題”をつくって帰る重要性

お目当ての課題をすべてクリアし、完登で締めると気持ちの良い練習ができます。

しかしながら、成果を効率的に上げるためには、「挑戦したけれど登れなかった」という状態で練習を締めておくことをオススメします!

心理学に”レミニッセンス”という概念があります。

時間を空けて練習や学習を行なった場合には、連続的に行なった場合に比べて高い効果が得られるという現象を指す用語です。

つまり、課題への取り組みは、日をまたいで行なうほうが効率的なのです。

なので、「次回こそは登ってやる!」と思えるような宿題をつくって帰宅することが効果的となるのです。

動画を撮影しておけば、自宅学習も可能になります!

”サーキット”の上手な活用

ボルダリングにおけるサーキットトレーニングとはなにかをまず確認しましょう。

サーキットトレーニングの要領

課題を連続的に落としていくトレーニング
休憩時間は30〜90秒ほどに短く設定したうえで、連続して登れるように課題の本数と難易度を設定する。
例)5級勝率が5ほどなら、7級12本(1分休憩)

持久力や基本ムーブの精度向上に効果的

このようなトレーニング方法を上手に活用することで、成長効率を上げていくことができます。

主な使いどころとしては2つあります。

1つは、ベストな体調ではない日の調整です。

勉強や仕事と両立しながらのクライミングは、毎回ベストなコンディションで行えるとは限りません。調子の良くない日に限界に挑んでしまうと、練習効果が上がらないどころか、怪我のリスクを高めてしまいます。

そこで、1つひとつの課題の強度が小さいサーキットトレーニングであれば、怪我のリスクも低く不調時にも登れますし、それでいてしっかりと練習量を確保することができます。

また、練習終わりの追い込みにも利用できます。

練習終わりというのは、やはり限界に挑めないほど疲れているはずですから、強度を下げた状態で行なうサーキットトレーニングが効果的です。休憩時間を長めにしたり、強度を調整したりすれば、クールダウンとしても利用できます。

”気持ち”が大事!

さて、ここまで効率的な練習方法をお伝えしてきました。

が、練習効果を最大化するために一番大切なことは「ボルダリングを楽しむこと」です

「好きこそものの上手なれ」という表現があるように、楽しくボルダリングを続けることができれば、自然と上達していくことでしょう。

だからこそ、計画に縛られすぎるのも危険だと言えます。

自分の気分や体調を無視して計画を優先していると、気持ちが沈んでしまうかもしれませんし、酷い場合には怪我をしてしまいかねません。

なので、お伝えしてきたような練習メニューは参考程度に心に留めておいて、実際にジムに足を運んだ際は「自分のしたいこと」を大切してください。

楽しさ重視のセッションも十分練習になります。



さて、今回は初心者卒業を目指す方にオススメの練習方法をご紹介してきましたが、「もっと技術的なことについて詳しく知りたい!」という勉強熱心な方もいらっしゃるかと思います。

そこで、当ブログでは壁を登るという行為に関する基本的な考え方と、初心者が身につけるべき基本技術をご紹介していますので、合わせてご覧ください。



また、どのような練習をするのか以前の問題として、そもそも怪我をせずに練習を継続することが大前提となります。

そこで、練習前後の身体のケアについてご説明した記事もご用意しておりますので、ぜひ参考にしてください。

BolBolをあなたの上達のパートナーにしていただけたらうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、ガンバです!


提供:ボルダリングジムBolBol