【課題解答集】90°壁 3級・2級の登り方【’23年2月〜】

3級課題

青4番


最初の核心は1手目に持ったホールドに右足を乗せるところです。

この動画では左足をスメアしながら手に足ムーブを決めています。

左足はスメア。
ここから右手を残しつつ、右足を乗せていきます。

この方法はスマートですが、左手の保持力が足りないと少々難しいかもしれません。

動画の方法が難しい場合はいったん足の入れ替えを行なうようにして、左足でホールドを踏みながら手に足をするようにしてみてください。

左手を取ったらこの時点で足の入れ替えをしてみましょう。
いま、右足で踏んでいるところを左足で踏むのです。

そして、終盤に控える下図のパートがこの課題最大の核心です。


足場は薄いホールドで心もとないですが、そのなかでも踏みやすい箇所を見極めて慎重に狙います。

バランスを取るためには足はもちろんのこと、重心を可能なかぎり壁に近づける意識も大切です。

そのためには腕の力も利用して身体を引きつけるようにしてください。

肘がしっかり曲がっています。
身体を引きつけようとしているのです。

マッチしたあと、次のホールドを狙うときに足から意識が離れて滑落するケースがよくあります。

ホールドを取りにいくことに気を取られすぎず、足で踏み続けることを意識し続けるようにしましょう。

踏みつける力が抜けると滑落するので要注意です。

青5番


言わずもがな、最大の核心は中間部となる三角ボテ取りです。

飛びつくというよりは立ち上がりなので、最後までしっかりと足で踏むことを意識してください。

外傾していてやや乗りづらい足場ですが、信じて踏みましょう。

また、立ち上がるときに壁方向にしっかりと身体を引きつけます。

腕で引くだけではなく、腰が壁に近づくように腹筋を意識しましょう。

たんに身体を引きつけようと意識しても、腹筋の力が甘いと腰がついてこず、上半身だけが壁に近づいて”くの字”になってしまいます。

腰と壁の近さに注目してください。
届かないとお悩みの方は腰が壁から遠くないかチェックしましょう!

ところで、この課題にはもう1つのムーブが存在し、じつのところそちらのほうがセッターさんの想定です。

真の正解ムーブが知りたい方は、ぜひともスタッフに直接お尋ねください!

青6番


最初の核心は2つ目の”Gatoホールド”を取るところです。

右側に足場がないために力を出しづらくなっていますが、左腕でしっかりと引き上げて距離を出しましょう。

左腕で身体をしっかり引き上げています。
デッド気味に一気に出てしまうのがオススメです!

そして、この課題最大の核心にして醍醐味が、2つ目の”Gato”への乗り込みです。

1つ目のポイントは脚力を活用すること。

腕だけで上がろうとはせず、左脚のかきこみ(腿裏の筋肉を使って脚を曲げていく動作)を意識しましょう。

”脚は第3の腕”としばしば表現されます。
まさに脚の力で身体を引き上げるのです。

重心をホールドより上げることに成功したあとは、重心をホールドの真上に持ってくることを意識します。

よく見かけるミスは、重心(腰)がホールドから離れていて、いつまでも苦しさから解放されないケースです。

乗り込んでしまえば楽になるのですが、”腰(重心)を乗せる”ことに成功してはじめて「乗り込んだ」と言えるのです!

腰がホールドの真上にくると楽になります。
やみくもに身体を上げようとせず、ポジションを意識しましょう。

2級課題

白4番


この課題は2つのカチの扱いが核心となります。

なので、基本的には単純な保持力勝負となるのですが、少しでも勝率を上げるためにはカチの保持についての技術も必要です。

第1核心。カチをマッチしてのトラバースです。
第2核心。左手のカチと右手のプッシュで体を上げます。

そこで、カチの扱いについての基本をぜひともこちらの過去記事バックナンバーでチェックしてみてください!

これを踏まえて、ここではそれを補完するアドバイスをお伝えします。

それは、カチの扱いに際してしっかりと脇を締めることです。

とくに2つめのカチでは”手に足”を行なうために壁から身体が離れやすく、それゆえに脇が開いてしまいがちですが、しっかりと意識して力を利かせるようにしてください。

足を通すために腰を離す必要があります。
このときに脇が開きやすいので要注意です!

白5番


最初の核心は2手目のピンチホールド取りです。

動画のとおり右手をプッシュして取りに行きますが、直前にしっかりと壁に入っておくことが大切です。

左手の保持と腹筋力で腰を壁に最接近させておきます。

そして、いざ左手を離したら素早く取りに行きます。

バッチリ固めて取るのが難しいときには、落ちるまえに(壁から剥がれるまえに)素早く取りに行く、というスピード感も重要です。

スピーディーに取りにいったのが動画でも確認できます。

そして、最大の核心がゴール手前のピンチ取りです。

その手前のピンチホールドが見た目以上の悪さのため、身体を上まで引き上げることがたいへん難しくなっています。

背中で隠れていますが、右手で保持しているのが問題のホールドです。

画期的な解決策はなくて保持力勝負となるのですが、勝率を上げるためのコツは存在します。

そのコツとはピンチではなくオープンで保持することです!

動画をご覧になった方はこのことに気がつかれたかもしれません。

右手の親指に注目してください。
このように、ピンチ持ちではなくオープンです。

ピンチしたほうが持てるように思えますが、それだと親指のロックが身体を上げきる際にむしろ邪魔になってしまうのです。

よって、ここはオープンで押し切るつもりで保持するようにしてみてください!

白6番


初手取りが最大の核心となっている課題です。

狭いところから、スローパー気味の悪いホールドで立ち上がるのでかなり難しくなっています。

立ち上がるときに壁に入りたいので、タメの時点では身体をやや離しておきます。

タメの時点では腰が壁から遠くなっています。
最初から近いと立ち上がるときに壁から離れてしまうのです。

そして、いざ立ち上がるときにはしっかりと身体を引きつけます。

持ち手がスローパー気味なので、指力より摩擦力に頼ることになります。

背中を意識して押さえつけるように持ちましょう。

引きつけることで一気に壁に近づいていきます。
左手を残っています。
押さえ続けることを意識した結果こうなるのです。

2つ目ポケットを取るときにも注意が必要で、右手の保持を十分に意識して一気に立ち上がる必要があります。

やはり1つ目取りと同様に、”残す手”の保持が肝になります。

右手の様子から力をしっかり利かせていることがわかります。
腰と壁の近さにも注目です。
取ったあとはバランスが悪くなり回転しやくなっています。
それを予期して、腹筋の力でしっかりと耐えましょう。