こんにちは! BolBol店長のヒロトです!
前回の記事では当店で使われているホールドのレビューをお伝えしました。
ボルダリングの普及にともない、一般の方々がマイボルダリングウォールを手掛けるケースが増えてきたという事情を踏まえて、プロとしてなにかお役に立てることはないかと考えての試みでした。
ところで、当店は月に1度のペースでホールド交換を行なっております。
そういう事情もあって、開業から数年が経った現在、購入したホールドは非常に多岐に渡っています!
というわけで。
今回は、前回はお伝えしきれなかったホールドたちについてご紹介していきたいと思います。
前回同様、消費者目線のレビューをお届けしますので、ボルダリングウォールの自作をご検討の方はぜひとも参考になさってください!
おことわり
レビューしたホールドの販売が終了している場合がありますのでご了承ください。
ホールドの買い方
購入のための事前知識としてお伝えしたいことがあります。
それは、ホールドの購入方法は次の2つに大別されるということです。
1)卸売業者を介して注文する
2)メーカーから直接購入する
そこで、今回はこのような購入手段の観点から分類してレビューをお伝えしていきます!
卸売業者を介した購入
最大のメリットは購入が簡単なことです。
この方法を選ぶ場合は、卸売業者が手がけるオンラインショップからワンクリックで購入できることが多く、入手はスムーズになります。
たとえば、前回は ”SEVEN A ”さんをご紹介しましたが、同社が展開するオンラインショップからブランドごとに多様なホールドを選ぶことができます。
その反面、仲介業者が存在するぶんだけ、コストが加算されます。
ホールドは海外製のものがほとんどなので、独力で取引しようとするとそれなりにハードルが高くなります。
おすすめの卸売業者
今回は”サンダンスアウトドアーズ”さんをご紹介します!
アメリカはカリフォルニア州発祥の老舗であり、国内ではボルダリングジム”MAD ROCK”と、同名のクライミング用品ブランドを展開していることで有名です。
そんなサンダンスアウトドアーズさんから購入した以下の2つのブランドをご紹介します。
- KINGDOM CLIMBING / キングダムクライミング
- Rock Candy / ロックキャンディー
KINGDOM CLIMBING
長所・特長
このブランドのホールドはとても高品質です!
頑丈で、大きさのわりに軽く、そして汚れも落ちやすいと、使い勝手は最高級といった印象です。
手触りもなめらかで皮膚にやさしいので、長時間持っていても痛くなりにくいです。
注意点
高品質なだけあって、全体的にやや高価な傾向にあるように思えます。
個人での購入を検討する場合、とくに気に入ったものに絞って選ぶと良いでしょう。
KINGDOM CLIMBING のホールド
ガバ(ジャグ)
という分類で売られていますが、実際はボテくらいの大きさです。
ご覧のとおり、シェイプがユニークで目を惹きます。
子どもの顔ならすっぽり収まってしまいそうな大きな開口部が特徴的です。
このような形状のために、360°どの方向にも持つことが可能で、多様なセットを可能にしてくれます。
また、外側にデュアル加工がされているため、足で雑に踏むことを防止できる点も魅力的です。
なお、KINGDOM CLIMBING のホールドは軽量かつ頑丈な印象ですが、これに関してはそれなりの重さがありますので注意してください。
ピンチ
技術的にもお肌的にも持ちやすいホールドです。
そのため、簡単な課題からでも使うことができます。
この写真のタイプは、向きによる持ち感の変動が大きいので、幅広いグレードに対応できます。
また、指に引っかかるようなシェイプではないので、強傾斜で使用するとそれなりにハードなホールドとなります。
一方で、こちらのタイプは指にひっかけることもできるので、向きを工夫すればガバとしても活用することができます。
ピンチとして使用する場合も、表面の凹凸があるぶんだけ持ちやすいので、初心者用の課題に重宝します。
Rock Candy
このブランドのホールドはあまり所有していないので、ブランド全体をレビューすることは難しいのですが、1種類だけたいへん気に入っているホールドがあるのでご紹介します!
Rock Candy のカチ
同ブランドから紹介したいのが、この細長い形状のカチホールドです。
写真だとわかりづらいですが、箇所によって持ち感が異なり、意外と指が深く入る部分があります。
そのため、的確な使い方をすれば中級者でも比較的保持しやすく、3級程度から使用が可能です。
「ちょうど良い難しさのカチ」というのは意外に希少なので、このホールドはたいへん重宝しています。
このように、カチのように単純そうなホールドでも、ブランドごとにさまざまな特徴があるので、購入を検討される場合は比較してみると良いと思います!
「極悪なカチがほしい」という方には、前回のレビューでご紹介したeXpression製のカチがオススメです!
メーカーからの直接購入
費用をできるかぎり抑えたいと考えるなら、この方法を検討してみてください!
自分でやるべきことが多くなり、入手までのハードルは上がりますが、仲介料が含まれないぶん低価格でホールドが手に入りやすいです。
また、「そもそも気に入ったホールドを卸してくれる業者がない」という場合にも、この方法を採用することになるでしょう。
実際、後にご紹介する GATO WALLS は、日本で取り扱ってくれるところがなかったものです。
そのため、ポーランドから自分たちで輸入しちゃいました!
個人として購入する場合なら、わざわざ海外製のホールドを横浜港まで自前のトラックで取りに行くことまではしなくても良いでしょう。
その一方で、国産のホールドならば製造者から直接購入するという手段も現実的になります。
国産の良いホールドもたくさんありますので、仲介業者を挟まずにコストを抑えたいと思われる場合は、国内の製造者を調べてみることがオススメです!
補足
2022年6月現在、GATO WALLSは日本の卸売業者と新しく契約し、直接購入ができなくなっています。
GATO WALLS
長所・特長
先ほどお伝えしたとおり、自分たちでポーランドから取り寄せました!
ボテ / ボリュームをはじめとした大きめのホールドに強いブランドという印象で、開業してしばらくしたところで「そろそろインパクトのあるホールドがほしい」と思って購入に踏み切ったのです。
いわゆるデュアルテクスチャーのホールドが豊富に取り扱われていて、どれも光沢とカラーリングが美しくて映えます。
また、サイズに比して驚くほど軽量で、取り扱いが楽なのもうれしいポイントです!
注意点
軽量化の副産物なのか、フリクション面の厚みがとても薄いものが存在します。
下の写真のものがそれです。
見た目におしゃれで、使い勝手もよく、この手のホールドにしてはかなりコストパフォ−アンスにも優れるのですが、フリクション面に力をかけると若干へこむので、歪みが生じてしまうリスクがあります。
なので、使用の際はフリクション面に体重がかかりすぎない角度でセットすることがポイントです。
ホールドの所有者という立場から言えば、あまり無茶な負荷のかかり方になってしまうセットは、事故防止の観点からも避けたいところです。
GATO WALLSのホールド紹介
ボテ / ボリューム
先ほどお伝えしたとおり、GATO WALLS と言えばボテ/ボリュームでお世話になっています。
大きめなボテが比較的リーズナブルに手に入るので、たいへんありがたいブランドです。
また、前述のとおり、デュアルテクスチャーとそのカラーリングによって非常に見栄えが良いので、壁を彩ってくれるという点でもたいへん重宝しています。
その他のホールド
同ブランドはもちろん、ボテ以外のホールドも充実しています。
デザインや品質に凝っているので全体的に高めの価格設定になっている印象ですが、どれも魅力的なホールドたちです。
たとえば、こちらのスローパーは向きによって持ち感をかなり変えることができて、汎用性に優れています。
また、こちらの動物シリーズは壁を楽しく彩ってくれます。
当ジムも、開業当初の壁は実用的なホールドばかりの硬派な見た目をしていましたが、こうした”遊び”のあるホールドを使うことで、初心者の方にもいっそう楽しんでもらえるようになったように思います。
自宅にボルダリング壁をつくりたいなら、練習になるホールドというよりは、見た目が面白くなるようなホールドを探すのもアリですね!
Involute
国産ブランドでも良いホールドはたくさんありますが、インボリュートもその1つです。
Instagram に アカウントがあり、そちらから購入することができます。
良質な木製のボテ/ボリュームが充実しており、それでいて、海外から取り寄せる場合と違って、コストをかなり抑えることができます。
軽量なうえに耐久性があるので、取り扱いがとても楽です。
また、表面は平坦ですが十分なフリクションがあり、ほどよい難易度でしっかりと利かせる持ち方を要求してくれます。
ホールド探しはボルボルで!
前回もお伝えしたとおり、ボルダリングジムはホールドの見本市としても機能します。
当ジム・ボルボルは、全国展開しているような大規模なジムではありませんので、それだけに個人でも購入可能なリーズナブルなホールドもたくさん使用しています!
登れる環境を自宅に持ち帰りたいという熱心なクライマーの方は、ぜひともホールド探しのためにもジムをご活用ください!
みなさまのご来店を、心よりお待ちしております!
提供:ボルダリングジムBolBol