【ボルダリング部レポート】TNFC予選会2025 in Share


今年もやってきました。

年に1度の大舞台!



THE NORTH FACE CUP
(ザ・ノースフェイスカップ)



全国から総勢2,000名以上の選手が参戦する、国内最高峰のボルダリングコンペです。

BolBolボルダリング部は本大会での好成績を活動目標の1つとして掲げ、昨年は本戦大会準決勝進出を果たす選手も輩出することができました。

今年もそんな大舞台の予選会に部をあげて挑戦してきたので、その模様と結果をご報告します。



舞台はここ!

ボルダリングジム Share!

神奈川県は横浜に存在する県内屈指の有名ジムです。

大会当日ということで出入り口前には多数の人だかりができていました。



ジム内も観客と選手で大賑わい。

ぼくたちボルダリング部は主に中学生たちのチームですが、すでに小学生たちの激戦が行われています。



到着したときには小学生たちの競技が行われていました。



本大会は男女それぞれに分かれ、さらに小学生・中学生、それ以上は実力別というふうに区分されています。

タイムスケジュールの進行に沿って各々の区分カテゴリーでセッションが行われます。




先陣を切るのはこの4人。

左から入部予定の小学6年生、中学1年生、そして2年生のコンビです。



まずはジム内の様子を確認。

選手たちは指定された課題に挑戦していきますが、カテゴリー間で重複している課題もあり、事前にほかの選手が登っているところを観察できます。



オブザベをひとしきり終えてコーチのもとにいったん集合。

これからウォームアップです。


笑顔でランニング。
余裕があるようでじつはそれなりに緊張してます。

ジム内のキャンパシングボードで筋肉を温めます。


ひとしきりウォームアップを終えたところで、前のカテゴリーの終了ブザーがなりました。

彼女たちの挑戦がまもなく始まります。

競技開始10分前です!




まずは課題のオブザベ!

前の選手たちが退場したため、競技エリアに入って課題を間近で観察することができます。

公式ルールにのっとって、床に足をつけてさえいればスタートホールドは踏んだり触ったりしてもよいので、この時間に登るためのさらにリアルな脳内シミュレーションを行ないます。



ここで新たな部員が到着!

中学2年生の彼は後ほど行われる「U-15男子」の部に出場します。


さて。

そうこうしているうちに……





ついに競技開始!

まずはスラブから始めました。みんなで相談したのか、ほかの部員も一緒に並んでいるようです。



いったん降りるトラバース。

なかなかトリッキーで、重心が外に膨らみやすいので難しそうです。



難所を抜け第1ゾーン獲得。

本大会はZONEゾーンホールドが2つ設定されていて、かわりにトライ数はカウントされません。純粋に到達高度の勝負になるということです。



第2ゾーン(Z2)も見事獲得。

あとは立ち上がってゴールするのみ!



が、惜しくも滑落!

一撃スタートかと思いきやそう簡単にやらせてはくれませんでした。



続いて挑戦した後輩もZ1までは到達。

しかしやはり同様のミス。

さらにこのあとに続いたもう1人もミス。


そこそこ幸先悪いです!

応援一同に動揺が走りました。




別の課題に挑むことにした2年生。

この課題はしっかり完登してくれました。



同じ課題をもう1人の2年生も完登!

中学2年生の2人はコンペの経験も実績も豊富な実力者たち。

しっかり切り替えて挽回を図ります!




続けて取り付いたこの課題

ガバではあるもののアンダーについており、無策に出ると落とされます。フットワークとボディバランスがものを言いそうです。



足で挟み込んできっちり保持。



見事に2連続完登!

エンジンがかかってきたようです。

今回の出題は強傾斜でも保持力・腕力のゴリ押しが難しいバランシーな課題が多い印象。国内最大級のコンペだけあって、クライマーとしての総合力が試されていると実感しました。




一方、こちらも順調に攻略中です。



こちらは3連続完登!

じつは昨年は本戦準決勝まで進んだ彼女。

こんなところでもたついているわけにはいかないとばかりに、ギアを上げていきました!




2年生コンビの情報交換。

グータッチしつつ課題の難易度について話しています。

コンペ経験豊富な2人のこと。和やかそうに見えてもハイレベルな思考力・集中力を使っているようです。



「イケる課題」と知ってさっそく挑戦。

柔軟なハイステップからボテについたビスにマッチを狙っています。



そして見事に完登!

出だしで少々つまづいたものの、2年生コンビが順調に完登数を増やしていっています。



開始から30分が経過。

80分間のセッションは残り50分。

制限時間が長いものの参加選手も多いため、30分間が過ぎてもトライ数はだいたい5本前後と待ち時間がかなり長くなっています。

トライ数に制限はないものの、この待ち時間の長さを考えると実質的にはかなり高いオンサイト力が要求されていると言えそうです。



ボテボテしい課題に挑む2年生。

小学生女子の部では完登者が2人しか出なかった難課題です。面踏みの難しさとポジショニングのシビアさをぞんぶんに味わえそうです。



左手で保持しているホールドにマッチすべく、ボテを探って活路を模索しています。



見事にマッチに成功。

とはいえ足元の三角ボテはかなり急斜面になっているので油断できず、ここからさらに悪そうなスローパーへの保持へと移行していかなければなりません。



重心を落としてスローパーを保持。

さらに左足を奥へ送って三角ボテを挟み込むようにして、このスローパーもマッチを試みます。



しかしここで滑落!

三角ボテから足を滑らせてしまい、苦笑しつつ頭を抱えました。




こちらは中学1年生。

すでに先輩2人が登った課題に挑戦中。



ゴールをしっかり保持!

このあと見事に完登しました!

まだコンペ経験が浅く序盤は苦戦を強いられていましたが、課題にも雰囲気にも慣れてきて少しずつ本領を発揮し始めてくれました。



さらに先輩も完登!

2年生のコンペ巧者がアゲてきています!



小学生も頑張ってます!

彼女はTNFC初挑戦。経験したことのない雰囲気と課題を前にして果敢にトライを続けています。



見事に完登!

コンペの経験はもちろん、ホームジム以外でのトライ経験も少ないなかでの挑戦だけに、貴重な完登です!




こちらは落ちた課題への再挑戦!

今度は見事に中間部の核心を突破!



見事にリベンジ成功!

序盤こそ苦戦したものの、順調に完登数を増やしていっています。




こちらスラブに再挑戦!

最初にみんなで挑戦し、みんなして落ちてしまった課題ですが今回は…



見事に完登!



さらに後輩も……



完登!



さらにもう1人!

最初にトライした全員が見事にリベンジに成功!

流れが来ている感じに応援していてとても盛り上がりました!!



残り20分を切りました。

競技もいよいよ終盤戦

会場が一段と盛り上がっています!




いかにもコンペ課題

ラストスパートのこの局面で1年生ルーキーが選んだのは、ボテが連続するこの難課題です。これも小学生女子では2人しか完登者が出ませんでした。



第1ゾーンを手堅く獲得。

彼女は上手にやってのけましたが、この初手取りもなかなか悪そうでした。



続いて身体を上げてZ2獲得。

しかしここからの重心の持ち上げに苦戦。

ゴール手前のカチを取りに行けるように保持感の良さそうな場所を探っていますが、なかなかしっくり来ません。



意を決してアンダーマッチ!



惜しくも耐えれず!

疲労もあるなかで最終局面にふさわしい見事なトライでしたが、あと一歩及びませんでした。




ここで時間切れ!

80分間の挑戦が終了しました。


みんなでリザルトを確認します。




残念ながら今回は本戦大会出場者を輩出することができませんでした。

とはいえ、昨年の女子選手の本戦出場はDivison3からで、今年から新設された「U-15W(中学生女子)」の部の出題課題はそれより1つ上のDivison2に相当します。

ハイレベルな出題を前にしてみんな十分に健闘してくれました。



さて。

続いては男子選手の出番です。

男子中学生とDision3の選手がオブザベ中。
初段以上をあっさり落とす実力者揃いです。


競技スタートです

最初に選んだのはこの課題。

中学生女子でも出題されていましたが、強度がそれなりに高いうえにバランスも求められる油断ならない課題です。



トゥ解除と同時に飛び出し!



安定感のある登りで中間部を攻略。

フットワークもしっかりしています。



ゾーン2をしっかり保持して……



見事に完登!

一撃スタートを決めました!

女子では完登者こそ多かったものの、1撃できた選手は意外に少なかったこの課題。

緊張感のある最初の1発でこれだけ安定した登りができるのは頼もしいかぎりです。



スポーツクライミングらしい課題!

ここから初手が右側の灰色ボテです。

どんなムーブなのか、競技としてのボルダリングをよく知っていないと想像するのは難しいかもしれません。



身体を思い切り振って…



思い切りジャンプ!


そして着地!

かなりカッコいいです!!



このあとも相当にクールなムーブ(通称「パドル」)が待ち構えていたのですが、それは上手くいきませんでした。

本カテゴリーの難易度はDivision2相当。

プロクライマーたちの頂点を決める戦いに出場するような選手も参戦するハイレベルな闘いで、それだけに出題も近代的な傾向でした。



こちらもダイナミックな課題。

斜め上へのランジ(跳躍)が求められます。



勢いよく飛び上がり!

壁にしっかり入れていて綺麗なフォーム!



惜しくも届かず。

本来は左側のホールドに左手を伸ばし、両手それぞれで異なるホールドを保持するダブルダイノと呼ばれるムーブが想定ですが、小柄な彼は右側のホールドに狙いを絞ったようです。


このあともトライを重ねていきましたが、距離だしを苦手とする彼の弱点を突いてくるような課題が多く、苦戦を強いられました。

残念ながら彼も本戦出場はならず。


今回のボル部の挑戦はこれで終了。

予選で終わってしまう結果となりました。




さて、後日談ですが…


コンペの当日はそれなりに和気あいあいと帰路についた一同でしたが、その後の最初の練習日に顔を出したときはすさまじいテンションダウンを見せていました。

内心、かなり悔しかったみたいです。

いっぱい練習したのだから当然ですね。

それでも部員たちは練習を続けてくれています。

しかも、練習はじめこそ「もう帰りて…」みたいなテンションだった(なんなら口に出てた)のに、結局はいつも以上に熱心に練習していました。


必死にやって、ダメで、また続ける。

それが正しいとは言いません。

けれどもすごい事だと思います。

誰にでも出来ることではなく、今回チャレンジしてくれたメンバーはみんな立派なスポーツ選手です。


次は神奈川カップと都大会。

ボル部はこれからも挑戦します!



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また、これをご覧くださった方のなかに選手の保護者がいらっしゃいましたら、この場をお借りして深謝申し上げます。

選手たちが自分の思うさまに懸命に挑戦し続けられるためには、保護者の方のご協力とご理解が欠かせません。

これからも”BolBolボル部”をよろしくお願いします。


提供:ボルダリングジムBolBol