今回は土曜日11:15からのレッスンをご紹介します。
レッスンは1コマ90分で実力や学年では区別していません。
キッズスクールについてお伝えする記事も今回で10回目を迎えました。
これまでは主にレッスンの様子をご報告してきましたが、今回は子どもたちの技術面に焦点を当ててレポートしていきたいと思います。
スクールでどんな事が学べるかを感じ取っていただき、実際に生徒たちがどれだけ上手に登れているのかを知ってもらえたら嬉しいです!
さて。
この時間帯のメンバーは……
元気に集合してくれた計8名!
男女比もちょうど同じで、学年も低学年から高学年までまんべんなくそろっています。
まずは準備体操。
ストレッチから始めます。
これはあくまで準備のための運動なので、柔軟性を高めるために限界まで伸ばすのではなく、身体をほぐすことを意識して行なってもらいます。
次は外で有酸素運動!
バービージャンプと呼ばれる体操をして、身体を動的に温めていってもらいます。
ジムに戻って登攀開始。
最初は簡単な課題を自由に登ってもらいます。
こちらは登る本数だけ伝えて、細かい指示は出しません。
自主練に来たときや大会に出場したときのために、基本的なウォーミングアップを自分一人でもできるよう、主体性も身につけてもらえるようにしています。
準備体操の最後は懸垂!
使うホールド(持ち手)の厳しさや、足をつけるかどうかは個々人のレベルに合わせて調整します。
コーチが指示しなくても難しい方法にみずからチャレンジする生徒も多く、その向上心の強さにいつも楽しませてもらっています!
スゴい懸垂を披露するRちゃん!
とても持ちづらいホールドを選んでいます。
一見すると足がついているかのようですが、よく注意して見ると浮いています。
このように錯覚させるのは、腹筋の力を使うことで、腰から下半身にかけて壁方向に寄せてバランスを取っているから。
体幹とクライミングフォームが鍛え上げられている証拠です!
負けじと挑んだSちゃん。
向上心旺盛な5年生です!
さきほどと比較すると下半身のフォームが少し違いますが、腹筋にしっかり力が入っていて安定感のある姿勢であることは共通です。
さきほどのRちゃんは「掴む力」の強さを発揮して、壁の奥に向かって前後するような懸垂していました。
一方で、このSちゃんは「押さえつける力」の強さを発揮して、上下に懸垂を行なっています。
何気ない遊びも観察してみるとそれぞれの長所が見えてきます。
懸垂のあとはいったん休憩です。
が!
休む間も惜しんで生徒の一人が大人用の課題に挑み始めました!
「成功したら載せる」と約束したので載せます笑
マンスリー3級課題に挑戦!
県内屈指の有名セッター(コースをつくる人)が作成してくれた大人用の課題です!
さきほど懸垂でスゴ技を見せてくれた5年生のSちゃんがこれに挑みます。
いよいよレッスン本番!
自分のレベルに合わせて課題を選び、コースが指定されたトポ(壁の地図)を各々に持っていってもらいます。
登る前のオブザベーション。
どういう課題が記憶して、登り方をイメージする作業。
記憶力と思考力が試され、そして鍛えられる、クライミングにおける大切な時間です!
強傾斜に挑むRちゃん。
130°にオーバーハングしたパワフルな課題に挑みます。
現在は4年生ですが、1年生の頃から通い始めてくれたのでクライミング歴はすでに3年。
彼女の使っているテクニックを説明していきたいと思います!
コースの中間部。
右上の三角ボテについたオレンジ色のホールドを狙っています。
左手も右手もかなりシビアなホールドで、思い切り引くことは難しい状況です。
そこで彼女は…
腰を壁からいったん離す!
さきほどの姿勢より身体が外に膨らんだのがわかると思います。
こうしてタメをつくってから…
腰をぶつけにいく!
壁に腰を一気に近づけたのがわかると思います。
それと同時に右手を離して…
見事にキャッチ!
これはデッドポイントと呼ばれる「壁に入りこむ」技術。
しかも持ち手が悪いため、腕の引きに頼らずに腰の使い方で実現しています。
腕力勝負と思われがちなクライミングですが、実際はこうした細やかなテクニックが求められる頭脳的なスポーツです。
これを自然と行えるようになったのは、彼女の3年間の努力の成果です!
今回、劇的な成長を見せたNくん。
入ったばかりの新人さんです。
これまでの何回かのレッスンで、彼には「次のホールドを取ったときに脱力しすぎて落ちてしまう」という癖があることが見えてきました。
そこでこの日は「残すほうの腕を最後まで引き続ける」ということを意識できるよう指導しました。
右手で次のホールドを掴みましたが、左腕に力を残してしっかり引けているのがわかります。
登り方がぐんと安定しました!
見事に完登!
お願いしたことをしっかり守ってくれました。
生徒たちは一つのアドバイスで飛躍的に成長することがあります。
それだけ生徒たちの吸収力は素晴らしく、またアドバイスはとても重要で、コーチという立場のやり甲斐と責任を感じます。
こちらのGくんは通い始めて半年。
Nくんに意識してもらった「残し手の大切さ」をすでにものにしているようです。
右腕を伸ばそうとしていますが、彼の左腕に注目してください。
この角度からはすこし見えづらいですが、次のホールドを取りに行こうと右手を伸ばしている間も残した左腕でしっかりホールドを引き続けていることがわかります。
見事に次のホールドを保持。
最後まで残した手にしっかり力が入っていました。
このシーンも同じ。
左手で次のホールドを取った瞬間ですが、もしも残した右手から力が抜けているとしたら、右腕はもっと伸びて脱力しているはずです。
残していた右手でしっかりとホールドを押さえ続けていたことがわかります。
ところで、たくさんの生徒たちを教えていると、しばしば「天才肌」な生徒を迎えることがあります。
こちらのCちゃんはまだ通い始めて1ヶ月ほどの新人さんです。
ですが、すでに持ち前のセンスでとてもキレイなフォームで登っています。
この画像でも、腰(重心)を自然と壁に詰めて、効率的な姿勢がとれています。
狭いところに入り込むとおしりが出てしまいがちですが、しっかりとホールドの下にしまい込んで、足場に体重を逃がせています。
そんなCちゃんには、どこが素晴らしいのかお伝えするようにしています。
「できないこと」をアドバイスするのと同じくらい、「すでにできていることを自覚してもらうこと」も大切です。
習い事をするうえで向き・不向きや才能の問題は避けられないと思います。
しかし!
ボルダリングは努力が報われやすい!
なぜなら、ほかのスポーツより基礎体力が実力に直結しやすいからです。
技術面は才能の差がつきやすいのですが、体力の成長は努力によって埋まりやすい部分です。
だからこそ、基礎体力の高さが実力に結びつきやすいボルダリングは、ほかのスポーツよりは才能の差を埋めやすい競技だと言えます!
努力したくなる環境づくりはコーチの役目。
これからも楽しく通えるレッスンを目指して、キッズスクールを運営していきたいと思います。
ぜひ一緒に登りましょう!
体験レッスンのご用意があります。
レッスンのご見学はこちらから!
スクールの詳細はこちらです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさん。
ガンバです!
提供:ボルダリングジムBolBol